見出し画像

公園のつくり方|ORANGE PARK

大阪・なんばにクリエイターが集まる"公園"があるという。

その名もORANGE PARK(オレンジパーク)

シンボルである鹿の門を抜けると、その日も様々なジャンルのクリエイターたちが作業したり、打ち合わせをしたり、談笑したりと賑わっていた。

今回はそのORANGE PARKの園長を務める大西さんにお話を伺った。

P1002053のコピー


Q.ORANGE PARKってどんな場所?

大西)
ORANGE PARKは「クリエイターのサードプレイス」として、新たな発見が生まれたり、スキルを磨ける居心地のいい場所をつくりたいという想いからつくった場所です。

自分自身も学生時代からフリーペーパーの制作や音楽ライターとして活動をする中で、昔はなんばにも『スタンダードブックストア』や『digmeout』など、クリエイターの溜まり場となる場所があったんですが、残念なことにそれらがなくなってしまったことで創作活動に不自由さを感じるようになったんです。

というのも「あそこに行ったら誰かと/何かと出会える・生み出せる」という場所だったので自分たちの居場所がなくなった感覚でした。

そんな話をライター時代から仲が良かったアメ村出身のアーティスト『愛はズボーン』のGIMA☆KENTAさんや、クリエイティブチーム『PIXELGRAM』代表の上平千晶さんとしていて、いろんなタイミングが重なって自分たちで"居場所"をつくることになったんです。

画像2

大西)
形式上はPIXELGRAMの新しいオフィスとして。でも、ただのオフィスじゃなく、いろんなひとが集まって作れる場所にしようと考えました。名前については、ベース(基地)・ファクトリー(工場)・ラボ(研究所)などいろんな案が出ましたが、閉鎖感がなく誰でも気軽に立ち寄れて、ピュアにフェアに自分らしくいられる場所がいいよねと、あえてパーク(公園)にしました。


Q.公園をつくる上で大事にしていることは?

大西)
ORANGE PARKは、カメラマン・ライター・エンジニア・タイポグラファー・グラフィックデザイナー・バンドマン・造形作家・料理家・ヨガインストラクター・タレントなどなど、様々なクリエイターが利用してくれています。

その上で、フリーのクリエイター集団であるPIXELGRAMのビジョンとして、『つくることで「 」を変えていく』ということを掲げています。

P1002073のコピー

「 」の中にはそれぞれのクリエイターが"変えたいもの"が入るのですが、パークとしては「出会い方」を変えて、新しいカルチャーをつくっていきたいと考えています。


大西)
僕自身「ライターをしています」と周りに言ったら、まずはじめに「どうやってライターで食べていってるん?」って聞かれることが本当に多いんですよね。

「ライターじゃ飯も食えないだろう、楽しそうだけどね」と、日本では社会的にクリエイターという職業が確立されていないんだなと感じるようになって、なんだか心苦しかったんです。

でも、この仕事が好きだし、海外ではこうしたクリエイターたちが憧れの職業にもなってる中で、日本でも胸を張って堂々とクリエイターだと言えるカルチャーを作りたいと思っているんです。


"誰もがクリエイターであり、ふとした瞬間に花が開く。"

僕はそれを学生時代に体験しました。

夏の野外イベントの後夜祭的なイベントである『SUZUDAMA 〜鈴木魂〜』に遊びに行った時のことでした。最高に楽しくて心にグッとくるライブの後に、感情のまま「鈴木魂を超える大西魂をつくってやる!」とSNSに投稿したら、SUZUDAMAを企画していたライターの鈴木淳史さんからDMを頂いたんですよね。

そのときに「あ、僕の人生変わったかも」って思えて、涙が溢れてきて。

そこから鈴木さんに支えていただき、ライターとしての仕事が始まったんですよね。

そんな原体験があるからこそ、つくることで「いろんな人の人生が変わる瞬間」を生み出していきたいなと思ったんです。

そのためにやりたいことがある人たちに寄り添うこと、クリエイターとして作り続けることを大事にしています。

画像4


Q.現在、そしてどんな未来を描いているのか?

大西)
2019年10月にORANGE PARKをつくって、コロナがやってきました。

集まる場所をつくったのに集まれない。その歯痒さがある中でも、対策を取りながらできる範囲で制作やイベントも行ってきました。

地道に一歩一歩、仲間やファンを増やすことで、いつの日か面積拡充や複数の店舗をオープンするなど「クリエイターのサードプレイス」を増やしていくことを目指し、また思いっきり集まれる"その時"のために仕掛け続けることが一番大事だと思っています。



終わりに(取材後記)

クリエイターが集まれる公園という居場所は唯一無二だし、このメディアでライターをしていて行き詰まったり、迷走しているときにこうしたサードプレイスがあると本当に助かる。

実際にユーザーとしても何回か利用させてもらったのだが、本当にいろんなクリエイターがやってきては考えていることを気兼ねなくシェアできるし、知見のないジャンルの人たちから違った角度のアイディアをもらえる。

クリエイター同士だからこそ分かり合える苦しさや喜びもあって、こうした居場所があることで救われる人も多いと思うし、社会がちょっぴりおもしろくなるんじゃないかとワクワクした。



名称:ORANGE PARK(オレンジパーク)
住所:〒550-0015 大阪府大阪市西区南堀江1丁目4−10川西湊町ビル 3F
アクセス:大阪メトロ四つ橋線なんば駅より徒歩3分、四ツ橋駅より徒歩7分
JR難波駅より徒歩5分
営業時間:10:00 ~ 23:00 ※イベント開催時など、変更の場合あり ※不定休
(営業時間短縮の要請期間中は大阪府のガイドラインに従い、20時までの営業となります。)
HPはこちらから

画像5




このメディアは読み手のみなさんからの支援金にて運営を行なっております。ぜひ、ご支援のほどよろしくお願いします!