不肖「信頼出来ない語り手」明智紫苑のおバカ書評! ついでにボヤキ! 読む読まないはあなた次第です。
当シリーズは、書評だけでなく、音楽や映画・演劇・舞台芸術などについての感想も載…
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#オタク
オタクとヤンキーの二極化の間にあるもの ―五十嵐太郎他『ヤンキー文化論序説』―
私は二冊の対照的なオタク文化批評の本を読んだが、当然それらだけでは不十分だ。いわゆる若者文化について語るならば、また別の文化やその担い手たちについて書かれた本も読む必要がある。それが『ヤンキー文化論序説』(河出書房新社)だ。当然、この本にはヤンキー文化とオタク文化の比較があるが、本能的に若者嫌いな中高年者にとってはどちらも不愉快極まりないものに過ぎないだろう。あたかも、女性蔑視に凝り固まりつつも
もっとみる「オタクの楽園」の住人は男性だけではないのだが…? (後編)―中原昌也、高橋ヨシキ、海猫沢めろん、更科修一郎『嫌オタク流』―
前の記事で取り上げた『萌え萌えジャパン』がオタク文化の豊かで明るい面を示す本ならば、当記事で取り上げる『嫌オタク流』(太田出版)は逆にオタク文化の暗く貧しい面を示している。私が思うに、オタク男性の欲望や美意識とは「一般的な」異性愛男性の欲望や美意識のデフォルメであり、パロディだろう。だからこそ、オタク批判側に立つ「異性愛男性」中原氏や高橋氏の批判はなおさら猛烈にならざるを得ないのだ。自分自身の「
もっとみる「オタクの楽園」の住人は男性だけではないのだが…?(前編) ―堀田純司『萌え萌えジャパン』―
オタク文化を扱う本は色々とあるが、この記事で取り上げる堀田純司氏の『萌え萌えジャパン』(講談社)は好意的にオタク並びにオタク文化を扱う本である。ただし、2005年発行というだけあって、さすがにちょっと情報が古い。今時のオタク文化を語るに欠かせない初音ミクなどのボーカロイドが普及する前の時期だけに、いささか物足りない。
とは言え、この本は日本のオタク文化の基本をだいたい踏まえているだろうと思うの