羽生結弦写真展(グッチ銀座ギャラリー)堪能記1〜聖域で発見する独創性、そしてストイシズム
グッチ銀座ギャラリーのオープニング展として、「YUZURU HANYU: A JOURNEY BEYOND DREAMS featured by ELLE」展が開催されている。昨年7月に競技から引退したフィギュアスケーター 羽生結弦を被写体とするこの写真展は、ファンなら絶対に見逃したくない必見のエキシビションである。
筆者も15歳のシニアデビューのときからの羽生結弦ファンであるが、ある幸運な巡り合わせから、ほぼ誰もいない空間で真っ先に観ることができた。オープンを迎えたばかりのグッチ銀座ギャラリーの真っ白な壁面に、羽生結弦の瞬間を捉えた写真が絶妙なバランスで並び、一枚一枚が至高の存在感を放っている。写真作品としてのクオリティと密度の高さはもちろん、モデルを務めた羽生結弦の情熱も伝わってくる。 ギャラリーには、『エル・ジャポン』誌2023年8月号の特集のために撮影されたショットの他、雑誌には未掲載でこの機会でなければ目にすることのできない作品も展示されている。ファッション誌の特集ページのために撮影された写真であり、着るのはイタリアの有名ブランドのグッチという、ファッショナブルでラグジュアリーな企画である。写真の表現はむしろシンプルだが、『エル・ジャポン』誌で見る写真は、確かにファッション誌に相応しい洗練された印象を与える。
しかし、写真展のギャラリーで見ると、また違った印象を受ける。ファッショナブルな洗練よりも、ある種ストイックな崇高さを感じてしまうのだ。それは、フォトグラファーが捉えた羽生結弦の一面なのだろう。そして、この撮影プロジェクトに真摯に取り組み、表現を追求した羽生結弦の精神性によるものだと私は解釈した。等身大かそれ以上に拡大された写真を、然るべき空間で没頭して見ることで、より濃密に凝縮された羽生結弦の魅力を発見する。
また、写真展で見ると、すべてのショットにファッション写真の域を超えた独創性を感じる。それはもちろん、フォトグラファーやスタイリスト、そしてグッチのコラボレーションによるものでもあるが、モデルである羽生結弦自身の表現者としての独創性、フィギュアスケーターならではの身体能力によるものも大きいだろう。新たな次元での表現の瞬間を捉えた写真に、スケーリンクでは見られなかった生身の彼の姿をまた発見する。
透明な輝きを放ち、写真が映り込むギャラリーのフロアは、アイスリンクを思わせる。羽生結弦のファンにとっては、この空間はまさに聖域である。音楽も声援もない喝采もない静寂の中で羽生結弦に出会うことはまずあり得ない。そして、フィギュアスケート演技とは滑りであり、彼の美しさをいつもその動きの中で追い求めてきたが、彼の静止した瞬間を芸術作品として鑑賞する機会はあまりない。羽生結弦の圧倒的な存在感とオーラが支配するこの空間でのみ体験できる奇跡である。
まずはとりとめもなく羽生結弦ファンとしての感想を綴ったが、まだまだ語り足りないので、次回もお楽しみに!羽生結弦ファンの皆さんへの #夏のオススメ は、グッチ銀座ギャラリーで開催中の「YUZURU HANYU: A JOURNEY BEYOND DREAMS featured by ELLE」展です!
グッチ銀座 ギャラリー オープニング展
羽生結弦写真展「YUZURU HANYU: A JOURNEY BEYOND DREAMS featured by ELLE」
会期:2023年6月28日(水) – 8月20日(日) ※会期中無休
GUCCI公式LINEアカウントにて要予約
続きはこちら
https://note.com/autisia/n/n607a63cb83e0
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