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悔しいからこそ手と足を動かせ

 10年前に大学の講義で脱落し始めたときにどんな心理状態にあったか。簡潔に言うと自分のことに失望しきって自暴自棄になっていた。一生で一度しかないチャンスを逃して全てお終いになったと思ったからだった。それで勉強に全くと言っていいほど手がつかなくなり講義に出るとき以外はずっと部屋にこもってゲームなどをしていた。

 確かに人生で一度しかない機会を逸したとは今でも思う。けれどもあのとき過去に執着するのをやめれば新しい道を切り開くこともできた。ただ答えが目の前に分かりやすい形でぶら下がっているわけではなく、まずはそのとき勉強すべきだったことをちゃんと学んだ上でほんの少し足を動かさなければ糸口を掴むことはできなかった。そうしなかった結果がこの現状だった。

 数ヶ月前から私は「○年前に転職すればよかった、今はそれができなくなってしまった」と思って失望していた。その有様は10年前と本質的に似通っていると気づいた。原因が自分自身の躊躇いにあった点、逸してしまったチャンスへの期待の高さ、そしてそれを理由に失望し自暴自棄になっている現状、これらがとてもよく似ている。

 そうだとすると過去に執着するのをやめなければ自分の視界の外に新しい希望があっても気づけなくてまた何年も無為に過ごすことになりかねない。そうしていれば今度こそ再起できなくなるだろう。逆に言えば今やるべきことに一旦専念してほんの少し行動を起こせば新しい道が見つかるかもしれない。その可能性に賭けてみようではないか。


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