AIのセンスとの付き合い方
NIKKEI STYLEの記事【AIのセンス、チェックしてみた 眼鏡や服のコーデ 】は、AIが、人間のセンスに関わる分野、ファッションや味覚の好みなどをアドバイスしてくれるサービスについてのリポートです。AIが提供してくれる『センス』のアドバイスをどのように受け止めたらよいのでしょうか?
記事では、AIによる似合い度の判定を実施している眼鏡店で、記者が私物も含めた何本かの眼鏡を試しています――
▶眼鏡店でAIのセンスをチェック
① 別の一流専門店で社長に薦めてもらった記者の私物は、高得点。
② AIが私物より高得点を付けた眼鏡をファッションに詳しい
ジャーナリストにチェックしてもらうと、AIを支持。
③ 逆に私物より得点の低かったものについても、AIを支持。
④ 記者が冗談半分に選んだ眼鏡は意外にも私物を大きく上回って高得点
だったが、ジャーナリストはAIを不支持。
この結果からだけでは一概に言えませんが――
▶AIのセンスは?
① ある程度の精度はありそう。
② 眼鏡の数ある要素の内どこに力点を置くかで、判定は変わってくる
のではないか。
③ AIが何故そのような判定を下したか分からないのが、もどかしい。
④ 冗談半分で試した眼鏡が高得点だったのは、何故かは分からないが、
もし試した人のイメチェン願望のようなものをAIが忖度したのだとしたら
(そんなことはないと思うが)すごい事……
⑤ AIによる判定サービスの利用者が商品を購入する割合が、利用しない
場合の1.5倍という事実が、AI判定がある程度ユーザーに支持されて、
納得してもらっている事の証か……
この興味深い実験を通して見えてくるのは、AIは学習によって精度を上げることは間違いないが、結局センスというファジーな現象の予測は、AIによる場合も、人間によるお薦めの場合も、結局は受け手の気持ち次第だという事です。つまり、ユーザーにとってAIによる似合い度の判定は――
▶ユーザーにとって、AIによる似合い度判定の
体験価値は……
(1)ある意味店員さんの判断よりも客観的な、確認のための一つの有効な
目安である。
(2)意外な判定による気付きのチャンスである。
(3)AIがブラックボックスではなくXAI(説明可能なAI)であれば、判定
の根拠を知ることが出来て、面白いし、説得力が増す。
(4)AIが、「大胆な判定」・「イメチェンしたい」・「おとなしい判定」
など、ユーザーのリクエストを聴いてくれれば(AIと会話できれば)
非常に面白い。
(5)ユーザーが自分の選んだアイテムの似合い度を判定してもらった後、
今度は、AIの方から「こんな商品はどうですか」とレコメンドする機能
があるとよいかも知れない。その際、ユーザーの画像と商品の画像を
ARなどで合成して呈示できれば面白そう。
AIによる似合い度の判断には、間違いなくユーザーにとってのベネフィットがあり、様々な小売の現場で広がっていくのではないでしょうか。
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