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メルカリに学ぶ、テクノロジーによる大企業病の予防

 日経電子版の記事【メルカリ急成長の危機感 大企業病防ぐテクノロジー
メルカリAI経営(上)】からは、個々のサービスを事業としてどのように推進するか(開発から⇨テスト⇨運用⇨障害対応まで)、そのシステムを大企業病から守るために、テクノロジーでアーキテクチャー(設計思想・構造)を構築することの優位性が読み取れます。



 そもそも、スタートアップが成長していく過程で、事業が拡大していく事はもちろんプラスですが、拡大したが故に大企業病にかかりやすくなってしまう、というマイナス面の悩みが付きまとう事になります

 ここで、典型的な大企業病の症状を3つだけ挙げるとしたら――

▶大企業病の3大症状

(1)『ユーザー軽視』・・・直接ユーザー、顧客と関わらない人員が増え、
            ユーザードリブンな発想、顧客満足への配慮が
            欠落していく


(2)『スピード感の欠如』・・・大人数が故に、決裁ルートが煩瑣になる
              など、意思決定が滞る

(3)『硬直したタテ割り組織』・・・組織が開発・テスト・運用といった
              工程ごとに組まれ、個々のサービスに関する
              意思疎通や変化対応がスムーズに進まない

 いつの間にか、ユーザーとの繋がりが弱まり、意思決定が滞って、変化対応が進まないような企業、大企業病にかかった企業は、変化の激しいコト消費の時代に、ユーザーのニーズに刺さったイノベーティブなプロダクト(モノ・サービス)を迅速に生み出すことなど出来そうもありません。



 記事では、そうならない為に、巨大なアプリケーションを細かな要素=サービスに分割し、個々に独立して開発⇨運用する『マイクロサービス』のテクノロジーを採用し、組織をそれに合わせることで、そもそもの事業の進め方、個々のサービスの開発から運用にいたるフローを、大企業病と無縁の仕組みにしてしまった訳です。

 それは、言わば、会社は大きくなっても、硬直した巨大な組織がスローに動いている訳ではなく、会社の中で多数のリーンスタートアップがダイナミックに躍動しているイメージです。その優位性は明らかではないでしょうか。

▶『リーンスタートアップ』のような組織

(1)新たなサービスごとにチームを組む。

(2)各チームは、少人数で軽いフットワークで動く

(3)各チームは、開発から運用まで一気通貫に行う









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