『暗黙知』の見える化
日経電子版の記事【南部鉄器などの職人技、スタートアップがAI伝承】では、職人技をAIなどでデジタル化し技能伝承などに活用しようという施策がリポートされています。
確かに、職人など多様な技能者が持っている、未だ言語化されていない、経験・勘に基づく知識=『暗黙知』は、技能者の高齢化・人手不足など色々な要因で次世代への継承が困難となってきており、このままでは、貴重な日本のモノづくりの伝統が様々な生産現場で断絶してしまう恐れがありそうです。
また、翻って広くビジネスの現場を見渡せば、高いスキルを持ったビジネスパーソンの暗黙知が手付かずで放置されている状況は、何も伝統的なモノづくり産業の現場だけではなく、最先端のIT企業、スタートアップにおいても全く同じかも知れません。
――何故、こんな精緻なものが作れるのか?
――何故、こんなイメージが創造できるのか?
――何故、こんなシンプルでバグのないプログラムを書けるのか?
――何故、あの人が料理するとこんなにも美味しいのか?
――何故、あの人のチェックはモレが少ないのか?
――何故、あの人の営業成績は抜群なのか?
――何故、あのリーダーの下では組織が活性化して好成績を上げられるのか?
――などなど……
今まで、教えてもらうか、見て盗むかしかなかった達人の『暗黙知』を、AIなどの解析を通して、可視化・数値化・言語化できれば、そのデータには大きなポテンシャルがありそうです――
▶可視化された『暗黙知』のポテンシャル
① 技能の継承がスムーズになる。
② チーム全体のレベルが上がる。
③ 可視化されることで課題も明らかになり、さらなるカイゼンへと
繋がる。
④ 卓越した技能のデータがあれば、自動化・ロボット化・ソフト化へと
繋がる。
⑤ 可視化された暗黙知は、外販可能である。
⑥ 暗黙知が可視化されることで、マニュアルの精度が向上する。
⑦ 暗黙知が可視化されることで、トレーニングが強化される。
⑧ 暗黙知が可視化されることで、ハウツーもの・ガイドブックのレベルが
上がる。
⑨ 暗黙知が可視化されることで、製造工程の歩留まりを改善するような
モニターが可能となる。
など
こうして見ると、『暗黙知』ビジネスは、大きな可能性を秘めたブルーオーシャンのように見えてきます。
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