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スマート化するプロダクト~秘められたニーズの探求~

 IoT、AI、テクノロジーの急速な進化によって、プロダクトのスマート化が進行する中、ついに「ボールペン、お前もか」、スマートボールペンが登場したとのことです。



 日経電子版の記事【キングジムがスマートボールペン、スマホ情報を通知】によれば、残念ながら「書いた文字をスマホと連携する機能などは備えていない」とのこと。最初、記事のタイトルを見てとっさに思ったのは、スマートペンが書いた文字をすべて記憶してパソコンなどに伝送する機能ですが、さすがにそれはなかった……

 スマートフォン、スマートスピーカー、スマートグラス、スマートハウス、スマートミラー、スマートイヤホン……次々にスマート化されていくプロダクトがヒットし定着するかどうかは、他の全てのプロダクト、アナログなプロダクトと同じく、結局はユーザーに類稀で革新的なUX(ユーザーエクスペリエンス)を提供できるかにかかっている、と考えられます。テクノロジーありきの、あまりぱっとしないUXしか体現できないプロダクトは、ユーザーにとって面白グッズの域を出ず、決して長く日常使いはしてもらえない恐れがあるのです

 ユーザー自身が気付いていない、しかし、そんな機能があったら抜群の利便性があるに違いない、そんなニーズを掘り起こす探求は始まったばかりです。私達の身の回りにあるあらゆるモノがスマート化の可能性を秘めており、付加価値とコストのわくわくするようなせめぎ合いが開発現場で繰り広げられている、いや、繰り広げられるべきなのです。そこそこのコストで、びっくりするようなUXを得られるプロダクトの出現に夢が膨らみます……



 登場したばかりのスマートボールペンも今後試行錯誤を重ねて進化していくのでしょうが、やはり、運筆データを収集・記録しPC上で文章化できるような機能があれば、夢のようです。キーボードを叩くのが苦手でも、スマートペンで手の平や手持ちの雑誌など任意のものの上に文字を書いていけば(ペンを動かすだけで、実際にインクで書かなくても良い)、PC上に文章が入力されていく……

 忘れ物を教えてくれるスマートバッグ……

 雨が降ってきそうになると教えてくれるスマート物干し……

 傘の必要性を教えてくれる気圧計……

 磨き残しのある個所を音で教えてくれるスマート歯ブラシ……

 本を読む時、映画を見る時、最適の光度と角度を自動化したスマートフロアスタンド……

 考えればきりがなく、人によって夢見るものは違うかも知れませんが、そんな中に卓越したニーズの、ヒットのヒントが潜んでいるに違いありません……


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