![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/17457793/rectangle_large_type_2_78f11d47687a433b713a505f2b33464a.jpeg?width=800)
『意外なもの』が『当たり前』になる時~IoTのもたらす変化~
日経電子版の記事【駅のベンチ90度回転 酔客の向き変え転落防ぐ とことん調査隊】は、線路側を向いているのが一般的な駅のホームのベンチを90度回転させた「直角ベンチ」を関西でよく見かけるようになった背景をリポートしたものです。
記事では、映像データの解析の結果、ベンチにうずくまって座っている酔客には、立ち上がった反動で何のためらいもなく真っすぐに進んでいく行動パターンがあり、ホームのベンチが線路の方を向いていると転落のリスクのある事が明らかにされます。「直角ベンチ」は、そのリスクに対する解決策だったのです。
酔客がふらふらと立ち上がって、何のためらいもなくホームの端へと歩いて行ってしまうという現象は、なるほどその通りかも知れず、そう思うと、ホームのベンチが線路側を向いている事が空恐ろしくすら感じられてきます。
そうなると、不思議なのは、「何故、ホームのベンチは線路側を向いているのか?」と、今まで『当たり前』であったコトへの大いなる疑問です。
――狭いホームでの混雑を考えると、ベンチを横向きに置くのが合理的。
――小さなベンチをいくつも置くより、長いベンチを設置した方が低コストであり、長いベンチは縦向きには置けない。
――電車の入線してくる線路の方を向いて座れるようにするのが、電車の発着を確認したい乗客の心理に寄り添っている。 など
ここから浮かび上がってくるのは、ベンチを横向きに置くという従来の『当たり前』には、もちろんそれなりの合理性はあるのだけれども、酔客のホーム転落リスクという観点がなかった、という事ではないでしょうか。
今私達の周囲にある『当たり前』は、その範囲での合理性に従った『当たり前』に過ぎないのであり、新しい視点やデザイン思想が導入されることによって、『意外なもの』が登場してくる、そして、その『意外なもの』が、やがて新しい『当たり前』へと変化していく、そんなことをこの記事は教えてくれているようです。
そして、そのような新たな視点は、映像の解析をはじめとして、さらにはIoTデバイスの普及、続々と集積されていくビッグデータによって、今後続々と登場してくることが予測できます。IoT、そして、IoT‐AIの時代は、文字通り『変化の時代』となる、と言えそうです。
▶IoTのもたらす変化
IoTの普及
⇩
ビッグデータの集積
⇩
新たな視点
⇩
新しいデザイン思想
⇩
『意外なもの』の登場
⇩
『意外なもの』が新しい『当たり前』に
⇩
『変化の時代』
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?