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『MaaS』のピースとしてのフードトラック
日経電子版の記事【ランチ難民を救え フードトラック全国1000カ所で展開】は、ランチ難民という社会課題への解としてのフードトラックに関するリポートですが、さらに広い視野で捉えるなら、フードトラックは『MaaS』の重要なワンピース、構成要素ではないか、と考えられます。
まず、『MaaS』の時代のハードの側面、モビリティー(車)そのものという事を考えるなら、そこには、『モビリティーのユニット化』のような構想があります。
例えば、スケートボードなどと呼称される共通の『駆動ユニット』の上に、『居室ユニット』、『貨物ユニット』、さらには『航空ユニット(つまり空飛ぶクルマ)』など様々なユニットをドッキングさせることで、効率的にモビリティーを運用するものです。当然、そのようなユニットの一つとして、フードトラック(キッチンカー)に相当する『調理(キッチン)ユニット』のようなものが想定でき、現状各事業者が各々に改造、許可申請している煩瑣な手間からの大幅なコストダウンが期待できます。もちろん、そこに自動運転などがプラスされれば、フードトラックで働く人が一日の仕事を終えた後、遠くまで車を運転して帰る負担が軽減され、休息を得られることにも繋がります。
(追記:『モビリティーのユニット化』については、下記の拙稿でも考察しています。)
そして、決定的なのが、『MaaS』の時代の到来によって、『移動』というUX(ユーザーエクスペリエンス)の質と領域が根本的に変容していく事ではないでしょうか。
『移動』という概念が『ながら移動』という概念に置き換わる事で、例えば『映画鑑賞と移動の融合』、『会議(ミーティング)と移動の融合』、『睡眠と移動の融合(夜行列車ならぬ夜行モビリティー)』、『移動と教育の融合(移動教室・社会実習)』そして、『食事と移動の融合』、『ランチとミーティングと移動の融合』といった様々な新しい社会現象が起きてくると考えられます。
『MaaS』の時代に出現する多様なモビリティーのターミナルにフードトラックが集散し、また、外食の一形態としての『フードトラック』の存在意義、比重が著しく高まるなど、今フードトラック業界に起きている事は、その大きな変化、飛躍のほんの序章に過ぎないのかも知れません。
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