『天使の翼』第7章(34)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
どうやって立ち向かっていけば良いのか、わたしは、ここアクィレイアで、敵の本拠地で、現実と言う名の越えがたい壁に直面していた。
そんなわたしの心の傾きを敏感に察知したシャルルが、励ますように声をかけてきた――シャルルらしく理知的な言葉で――
「第一に、確実な証拠を摑むこと――相手がどのような存在であっても、犯行の足跡は必ず残る。それを丹念に辿っていけば、必ず真実をつきとめることができる」
わたしは、こくりと頷いた。
「第二に、相手の欲望を逆手にとって、相手をいつもとは