第二章 試行錯誤を繰り返した小学生時代①

一、私は将来女の子

小学校に入学してから最初の1年目は小学生の生活に慣れることが大変だった。徒歩での通学が難しい場所に住んでいたため、毎日スクールバスで通学をしていた。とってもしつけの厳しかった古村先生に怒られないように生活する日々。

友達のことで覚えているのはアンパンマンのトレーナーを着ていったら、ある女の子に「ダサ」と言われたこと。とてもショックだった。男女分け隔てなく好きでいられるアンパンマンにも消費期限があると知らされた。小学生は小学生の中で上手に生きていくことに苦労している。

2年生になり小学生としての生活にも慣れてきて、自分の身の回りのことがわかってきた。中でも当時の自分にとって新鮮な存在だったのがスクールバスに乗っていた3,4人の中学生だった。

僕には、3つ上に兄がいるが、実家が山奥にあったため周りに子どもがいなかった。だからそれまで見てきた世界には、自分と同じ子どもか、兄と同じぐらいの子どもか、大人かという3つの区切りしかなかった。そんな中に現れた5,6歳年上の人たちの生態はとても興味深かった。

スクールバスの後ろの席に陣取る中学生たち。当時小学2年生だった僕には背も存在感も大きく感じられた。彼らと1年数ヶ月スクールバスでの時間を共にしてわかったことがあった。彼等は普段は統一の学年ごとで色が異なるジャージを着て、学校の節目(始業式や終業式など)になると緑の制服を着るということだ。そしてその制服は例のごとく女の子はスカートで、男の子はネクタイにズボンだった。(これは田舎あるあるで、都会の子は中学生でも毎日制服を着て登下校をすると大人になってから知った。これに関しては、田舎の中学校で良かったとつくづく思った。)

そんな中学生の姿を見て思ったこと、それが自分も次第に将来は女の子になっていくだろうということだった。お風呂に入りながら、自分が中学生になる頃には今のような生き方とは決別し、スカートもはけるようになるし、いわゆる「女の子」になれるだろう、いや、ならなきゃいけないんだろうと考えたことをはっきり覚えている。僕は8歳の時に、13歳の僕に女の子になっていることを託したのだった。今の自分にはできないけれど、きっと大人になっていく段階でそうなっていくものだと思っていた。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?