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なぜ、女性はアボカドが好きなのか?

こんにちは、フードプランナーの渥美まいこです。
本業はレシピサイトの会社員ですが、ここでは都市伝説のように言われているフードに関する謎や、今更だけど知りたい食文化について、メモ感覚でまとめています。

今回は、アボカドについて。
アボカドは、女性が特異的に好きだと言われている食材ではないでしょうか?その理由を探ってみたいと思います。

そもそも、男女の食好みの差って何だろうか?

はじめに整理しておきたいのが、この視点です。
女性パスタが好きアボカドが好き。
男性ラーメンが好きにんにくが好き。

なんとなく男女間で食好みの差がある食材やメニューがありますよね。
これは、「女性が異常レベルでアボカドが好き」ということより「男性は特別好きではないけど、比較的多くの女性が好きなアボカド」と整理したほうが適切だと思われます。

要は、男女間で好き嫌いのギャップが大きいメニューや食材(アボカドやラーメン)で言われやすく、男女不問で好まれるお寿司やハンバーグなどでは、このギャップが小さいために言われない。ということになります。


では、なぜ女性は男性よりもアボカドが好きなのか?

男性よりも女性のほうが比較的愛されやすい存在のアボカド。

その理由は、大きく3つでまとめることができます。
理由①:女性が本能的に好む、ねっとり食感 
理由②: キャッチコピーで拡がった”アボカド美容信仰”

理由③:「女子フード」がアボカドを「女子食材」に昇華させた

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理由①:女性が本能的に好む、ねっとり食感

アボカドのアイデンティティは、味以上にあの”食感”だと思います。
ーーーねっとりと粘性があって、舌触りが滑らか。あまり噛まなくても食べられてしまうような食感ーーー。

女性は男性と比べて、この「噛む必要のない、とろけるような食感」を好む傾向があります(参照:食の社会学 エイミー・グプティル)。
女性が牽引したこれまでのフードトレンドを振り返ると、噛む必要がないフードだらけなんです。パンケーキやプリン、ソフトクリームや焼きいもなど…。

女性はストレスを感じると、このようなとろける食べ物を求めると言われています。スイーツやアイスクリーム、チョコレートを欲するのは、糖を求めているだけじゃないのです。

ちなみに男性は、疲れると歯応えのある食べ物を求める傾向があります。仕事後、無性にポテトチップスが食べたい理由は、バリバリと咀嚼することで無意識にストレス発散をしているわけです。


理由②:キャッチコピーで拡がった”アボカド美容信仰”

アボカドが日本に上陸したのは意外にも古く、大正時代
しかし、当時の日本人の口に合わない&栽培にも成功しなかったことから、アボカドはなかなか浸透しませんでした。(ちなみにアボカドを日本に輸入したのは、以前の五千円で有名な新渡戸稲造だったとか…)

今日のようにアボカドが市民権を獲得したのは、平成時代になってからと言われています。
平成になって何が著しく変わったかと言えば、アボカドのキャッチコピーがついたこと。
アボカドは、不飽和脂肪酸、ビタミンやミネラルも豊富に含まれているため「食べる美容液」だとか「森のバター」という唯一無二の冠言葉を獲得できたことが、アボカドにとっての分水嶺でした。

「美容/健康」とも相性が良い食材として定着し始めると、女性雑誌でも露出が増えていき、女性の間で限定的に「アボカド美容信仰」が高まっていったのだと言えると思います。(化粧品に関するクチコミに近い感覚ですね)

冒頭で伝えたように、
女性は男性よりもアボカド好きだとする背景には、
女性は男性よりもアボカドの効能的な詳細を知っている。とも言えます。
その結果として、男性よりも女性はアボカドに対して好意を抱きやすいのかもしれません。


理由③ :「女子フード」がアボカドを「女子食材」に昇華させた

少し話は逸れますが、
なぜ神社仏閣が神聖なものとなったのかと言うと、人が神社仏閣を神聖なものとして扱うようになったからだそうです。
そう。もともと神聖なモノも人なんて存在しなくて、そのような存在として広く知らしめたからなんですよね。「ニワトリと卵の話」になりますが、アボカドも同じことが言えるような気がします。

美容、健康的なイメージのアボカドは、美意識の高い女性が好む朝食メニューに高頻度に登場し、女性が好きなパスタや、カフェ飯の具材としても度々登場。
総じて「女子受けフードにアボカドあり」という状態を生み出したのかもしれません。


いかがでしたでしょうか?
ちなみに、戦略的に女子ウケ食材にしようとマーケティングしたとしても、食材としてポテンシャルがないと浸透しないものです。(例えば生姜など)

その意味では、食材のポテンシャル×ブランディングの成功が、アボカドを形成しているのかもなぁとか思ってしまいます。
ぜひ、男性視点のコメントの聞いてみたいです。
なにか気になることあったら、コメントください〜。







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