見出し画像

「社畜」」か「やりがい搾取」か

休みだ!
正業も副業も入っていない。

私自身、「それは誰の管轄だから自分には関係ない」という考え方は嫌いだ。
すべて「会社」の仕事だ。
でも、唐突に別のチームの仕事を命じられたので、正直とまどった。
期限もあるし、なにしろ私にはそのチームの業務について基本的な知識がなかった。
他の多くの会社で採用している一般的な処理ではなく、この会社独特の対応が多くて、経験が長い分、混乱する。

休日もなんだか落ち着かなくて、ついつい過去の資料を読み返したりした。
オンとオフがうまく切り替わらないんだよなぁ。
期限第一なので、多少不完全でもいいから、とにかく上げて、と言われた。
それが難しい。
不備と知りながらそれには目をつぶって「できました」というのが、大きなストレスで苦痛だ。
ベストではないにしても、最低限、他人様の目に触れて恥ずかしくないものにしたい。

副業のほうは、元の正業で、新人の頃から「責了」だった。
チェックして間違いを質してくれる者はいない。
私の成果が直接お客様に届く。
それは「私の成果」だが、当然「会社の成果」で、会社がそれで評価される。
最初に「送信」ボタンをクリックするとき、指が震えた。
もう1度見直そうか、いやいや、もう何度もチェックしたし。

そのうち、納品した後、間違いに気づいたら「すみませーん。送った後に気づいたので、いま直したのをまた送りましたー」と言えばいいや、と思うようになった。
笑って言って、先方も「あらまぁ、ご丁寧に。わかりましたー!」と言ってくれればいい。
仕事の中身と同時に、そうできる人間関係の構築が大事だと気付いた。
過去成果物を調べて、「これって以前はこうでしたよね」と先に確認すると、「そこまで調べてくれている」という信頼がもらえる。
それでも不明確な点は、正直に「わかりませんでした」と教えを乞う。

それができるようになると、会社への受注時に「できれば風待ちに担当してほしい」と先方がリクエストしてくれるようになる。
正業だったときは固定給だから、もちろん「指名料」なんてものはなく、増えれば増えたぶんだけ、労力がかさむ。
でも、不快ではない。

だから、会社を辞めたあとも、副業が続いているわけだ。
だが、今回の案件は、事前情報も人間関係もなかったから、せめて出来栄えくらいはちゃんとしたかった。
上長に途中経過を報告して「ここで時間がかかっているんです」と言うと、「そこまでちゃんとしなくていい」と言われてしまった。
それは、通常、仕事をする者として「そこは許せない」と思っている点だったので、「しなくていい」と言われたけどした。
したことで期限を過ぎたら元も子もないので、「したけど間に合った」というふうにしたい。

ということで早出残業が続いた。
通勤時間が惜しいのでここ1か月はフルリモート。
リモートなら朝7時からだって作業できるし、夜も何時まででもできる。

正業だったときは、リモートがなかったので朝7時に出勤し、お昼ご飯を食べようと思ったときは、すでにランチタイムは終わっていた。
夕方5時頃に「お昼ご飯食べてきます」と言っていた。
部下で「この子は新婚だから」とか「この人は小さいお子さんがいるから」とか思うと、その人たちのぶんまで「私がやっておくから大丈夫」と言って早く帰さずにいられない。
私も介護をしていたのだけれど、それゆえに、早く帰りたくないという気持ちもあった。
兄ちゃん、ごめんよ。

帰りは大体11時過ぎで、それから駅の立ち食い蕎麦とか食べて、終電の1本前に乗っていた。
ほかのスタッフで残業が100時間を超えている人もいたが、私は「暇になったら仕事したくない」人なので、メリハリが大きくて、大体80時間くらい。
でも、20時間分しか支払われていなかったので「労基に訴える」と抗議したら、「退職時に清算する」と言われたので(それも違法です)、「なら、退職します」と言って、未払い残業代と延滞金をもらって辞めた。
5年前のことだ。

残業代が支払われないことは別として、ああいう働き方自体は、私は嫌じゃなかったなと、いま思う。
これが「社畜」というものなのか、それとも「やりがい搾取」だったのか、よくわからない。

でも、今回、久々に自分の時間と労力とを「持ち出し」で仕事をして、ああ、やっぱり私は仕事が好きなんだと感じてしまった。
やっているときはイヤイヤなんだけど、出来上がるとそれなりに満足する。
「そこまでしなくていい」と言っていた上長が「短時間で考えられない完成度だ」と驚いていたのにも満足した。
そして、私はしらっと「超過分も乗せて勤怠を付けますね」と言った。

ひと段落ついて、あとは急ぎじゃないので、本日休業。
昨日は夕方1時間早退して、明るいうちに歩いて帰った。(約1時間)
嬉しくて、いまも顔がニヤけている。

洗濯して、ネトフリで「ラブイズブラインド(ブラジル版)」という婚活番組を見ている。
ポルトガル語のリズムが好き。
登場する女性はみんなしっかりした定職を持っていて、経済的に自立している。
結婚生活の光と闇?を経験した私は、なんでそんなにムキになって結婚したがるのかと不思議な気持ちになる。
しかし、現実と遠く離れた世界から「この男はやめとけ!」などと叫んで楽しんでいる。
人には責任を果たせる楽しさと、無責任になれる楽しさとあるんだよなぁ。


読んでいただきありがとうございますm(__)m