ザ・ストーム・アンド・カーネイジ・インサイド・マイ・ヘッド#2
入学式の時以来に袖を通したスーツはえらく着づらく、己を拒んでいるかのようだった。『キンジロ=サンは我が大学の誇りであり…』キンジロのカンオケが置かれた祭壇の前で理事長が長々とスピーチするのをケンゴは、膝の上の握り拳を退屈気に崩したり戻したりしながら聞き流していた。
前方、遺族らが嗚咽を抑えんとするくぐもった声が鼓膜を叩くも、ケンゴの心には何ら波風は立たなかった。「聞いたか?キンジロ=サンが昔手を出した女が、ヤクザクランの殺し屋を雇ったって…」「いや、俺はバイオスモトリに殺さ