マツナミヒロキ

エレキギターとその部品を作ったり壊したりしています。Astronauts Guitar…

マツナミヒロキ

エレキギターとその部品を作ったり壊したりしています。Astronauts Guitars代表。オールド・フェンダーの謎解きが趣味。 79年製。3児の父。動物占いはタヌキ。Twitter @matsunamihr

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  • Complete Jazzmaster Settings

    日本で最も詳しいジャズマスターの書籍

最近の記事

Maxon ROD880のインとアウトを逆さにする

もう20年ぐらい愛用しているROD880。内蔵されている真空管を交換して遊べる他、EQもしっかり効いてくれてスタジオでも使いやすい。 色々なペダルを試しても結局これに戻ってくるマイ・フェイバレット・ペダルというやつです。 そんなROD880の弱点は ・ノブが取れ易いこと ・通常のペダルとINPUT、OUTPUTの位置が逆なこと 前者は取れにくいノブに簡単に変更できますが、後者は面倒なのでこれまで我慢して使っていました。 が、久しぶりにスタジオに入ったらやはり使いにくい。

    • BOSS SD-1オペークmod

      不透明なドライブペダル 今回はトランスペアレント(透明)なペダルではなく、オペーク(opaque=不透明)なドライブペダルを作ります。 トランスペアレントなペダルに改造した話はこちら↓ トランスペアレントなペダルって家で弾く分には良いんですが、バンドだと結構脚色してくれるやつが欲しくなるんですよね。 歪みのキャラクターとして参考にしたのはケンタウロス。 GAINフル、TREBLE12時のサウンドを基準に、近しいニュアンスを再現できるよう追い込んでいきます。 ソフトク

      • ジャズベのメンテナンス

        最近再開したバンドで、ガリが発生するということで預かってきたセイモアダンカン製のジャズベースタイプ。まずは軽く掃除して不具合を修正。 普段は車内に放置という非常に過酷な環境下で保管されているベースですが当たり個体なのかネックが強く全く狂いません。 が、経年で各所で使われている瞬間接着剤が劣化していくつかのトラブルが。 その一つがポジションマーク。4枚ほど剥がれており、残りもほぼ全て剥がれかけです。この際全て剥がして再接着します。運良くケース内に残っていたものも貼り直しま

        • 入門用ギター改造記

          色が綺麗なLegendのシンラインタイプ。LTE-69TL Metallic Ice Blueという機種のようです。あまり不満は無かったんですが触ってみました。 ボディ材はオクメ、アフリカの木材で触れた感じはラワンに似ていますね。ウエハースみたいにパリっとしていて軽く、サウンドもカラッとガランと鳴る感じでシンラインのホロウ構造とも良くマッチしている気がします。 音に奥ゆかしさはなく大味ですが、立ち上がりが早く素直な音、嫌な帯域もありません。塗装がうまく材の弱点をカバーしてい

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          レバースイッチのハック

          レバースイッチはトラブルの少ないCRLを使いましょう! ではあるんですが、円安もありCRLは近年価格がかなり高騰しています。 私としてはCRLは座繰りの浅いギターには使えないという悩みが非常に大きいです。 スイッチによってクリック感が違うので、CRL以外のクリック感が好きという人もいるでしょう。 安ギターをお金をかけずにあの手この手で育てたい困った性癖の人も多いはず。(ええ、分かりますよ。) ということで今回はCRL以外のレバースイッチを少しいじってみます。 チャレン

          レバースイッチのハック

          ジャズベースピックアップの開発

          ひょんなことからジャズベース用のピックアップを作ることに。「ひょんなこと」って可愛い日本語ですよね。目次はこんな感じ。 後ろの有料ゾーンは色々なジャズベース用ピックアップの直流抵抗値のデータです。 なかなか頑張って調べましたので、財布に余裕のある方は投げ銭代わりに購入してくれると嬉しいです。 ロードウォーンのジャズベを購入して一年ぐらい。ネックプレートの変更と弦高、ピックアップ高の調整ぐらいで満足していたのですが、ふといじりたくなりピックアップを調べることに。 ジャズベ

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          ギターの内部配線材を40種類試した話

          はじめにこの記事は2023年5月にGarrett Audioさんで販売していた主にビンテージの配線材を40種類購入して試した際のレポートです。 リストは以下の通り。型番は当時のGarrett Audioさんのものです。 このほかにもいくつか試していますがそれは省略。 有料記事部分は特に私が気に入った線材を数種類紹介していますが、既に入手困難になっているものもあると思いますし、記事としてのボリュームもありませんので、記事全体を気に入った場合の投げ銭とお考えください。 配線

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          ギターの内部配線材を40種類試した話

          BOSS SD-1でOD-1のサウンドを再現する

          そもそもSD-1はOD-1によく似ている やろうやろうと思って放置していた企画。改めてストックのSD-1を入手してOD-1と比較しましたが…本当によく似ています。 私の好きな、LEVELとDRIVEをそれぞれ10時にするセッティングだとSD-1側のトーンを12時にするだけでほぼ同じ音! 正直OD-1を買う必要も、なんなら改造する必要すらないと思います。 ただどうしてもSD-1をいじりたい人のために強いて言うなら、低域が若干強い。(低域不足のOD-1の後継機として至極真っ当

          BOSS SD-1でOD-1のサウンドを再現する

          BOSS OD-2でディスクリートなOD-1を作る

          今回はいつもと違う感じのコンセプトです。トランスペアレント系に飽きてきたということもあり、OD-2でOD-1のサウンドが出せるか?というチャレンジをしてみました。 回路図を見るとわかりますが、OD-2はオペアンプを使っていないディスクリートな回路を採用しています。OD-1を求めるならSD-1を改造した方が早いので、この企画は「ディスクリート回路でOD-1ぽさが出るか?」というただの好奇心を満たすためのものです。 これまでに比べて変更箇所多めですが、ほとんどがパーツの取り外

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          BOSS ODB-3でトランスペアレントなドライブペダルを作る

          BOSSの有名ペダルを解析しながら自分好みのローゲインなオーバードライブペダルに改造する企画。 今回の素体はベース用オーバードライブの定番品。ベース用ペダルとしては一般的ですがオーバードライブサウンドとドライ音をブレンドして音作りすることができるのが特徴です。 ドライ音のブレンドはギター用のペダルではあまり聞かないですがバンドサウンドでは歪ませれば歪ませるほど埋もれてしまうので、ギターにもかなり有効だと思います。 ということで今回はギターにもベースにも使えるようにいじってい

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          BOSS MT-2でトランスペアレントなドライブペダルを作る

          BOSSの有名ペダルを解析しながら自分好みのローゲインなオーバードライブペダルに改造することに何故かハマってしまって3台目。 メタゾネでお馴染みのMT-2メタルゾーンに取り掛かります。 素敵なオーバードライブサウンドのギタリスト、足元をふと見るとメタルゾーンが一台… 格好良くないですか? とにかくEQが補正されまくっている MT-2のコア部分の回路は概ねこんな感じです。1、3、4、5の4セクションでイコライジングし、原音をいじりまくっているペダルです。 プリEQ DI

          BOSS MT-2でトランスペアレントなドライブペダルを作る

          BOSS DS-1でトランスペアレントなドライブペダルを作る

          DS-1を素敵なオーバードライブペダルにするBOSSの有名ペダルを解析しながら自分好みのローゲインなオーバードライブペダルに改造する第二弾。 SD-1のようにオペアンプの負帰還でクリッピングさせる形式じゃない回路を触ってみたいと思いDS-1を入手しました。 とはいえ、自分の音楽活動では正直ディストーションはほとんど使わないので、ゲインをグッと下げ、ディストーションという名前のオーバードライブペダルを作ります。 トランジスタの増幅率を下げる DS-1はまずQ2のトランジス

          BOSS DS-1でトランスペアレントなドライブペダルを作る

          BOSS SD-1でトランスペアレントなドライブペダルを作る

          春頃に配線材を色々と試して自分のギターがひとまず完成したので、次はエフェクターでもいじろうかと物色。そういえば弾いたことがなかったSD-1を入手しました。 以下、どこをどういじるとどうなるのかの備忘録です。 アナログ回路の専門家でもなんでもないので、理解が間違ってる可能性あり。改造は自己責任で。 兎にも角にもC6を外すことから(C6: Remove) SD-1の少しこもった、膜の張ったような音はC6のコンデンサ(.01UF)によるもの。 まずはこれを外してしまう。外すだけ

          BOSS SD-1でトランスペアレントなドライブペダルを作る

          sledge ファームウェアアップデート

          v2.5.2へ そろそろコロナも落ち着いてきたし、バンド再開に向けて準備せねば。と何故か新しいシンセを探したりしていたんですが、たまたまDirigentのWebサイトを覗いたところ、sledgeのファームウェアが更新されていることを発見。 まずはこちらを試してみることにしました。 私が所有しているのは2.0として売り出す前の旧型sledgeですが、問題なくアップデートできました。作成済みの音色も上書きされたりしません。 MIDI接続はUSB、MIDI信号を送信するためにL

          sledge ファームウェアアップデート

          FJムスタングの調整

          音の方向性 フェンダージャパンのムスタングを入手したので、そのセットアップの備忘録です。 ここ10年で10万円以下のギターのボディ材の主流は完全にアルダーからバスウッドに移行しました。2010年頃からは90年代頃のプラスチッキーな廉価版ギターとは音の方向性が全く逆になり、高音のキンキン感は軽減され、ミドルに寄った音作りがされているように感じます。 おそらくポリの層は薄くなり、サンディングシーラーの層が分厚くなったのでしょう。音のレスポンス、スピード感に欠けるものの全般的に

          FJムスタングの調整

          スルメメソッド

          スルメのようなサウンドこの記事はスルメではなく、ビンテージ・フェンダー・サウンドについて書いた記事だ。 さて、世の中には聴けば聴くほど味が出てくる曲を指す「スルメソング」、音源を指す「スルメ盤」などの表現がある。 これは噛めば噛むほど味が出てくるというスルメになぞらえた表現だが、今回私が「スルメ」という言葉で表現するのは旨み成分の「凝縮」である。 巷で「枯れた音」と評されるビンテージ・フェンダーのサウンドは、スルメが水分を失って美味しくなるように、ギターから余計な振動や信

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