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古代ギリシア語すらChatGPTは日本語に訳してくれる嘘のような話
5−6世紀のギリシアから伝わった偽ディオニシウス・アレオパギテスという、文書偽造のなんちゃって愉快犯がいる。自分の書いた文書にディオニシウス・アレオパギテスという1−2世紀のアテナイの評議員になりすまし偽造文書をばら撒いた。プロクロスの新プラトン主義をベースにもちあまりによくできていたためか15世紀までバレなかったらしい。愉快すぎる。
しかもフランスのクリュニーは大真面目に扱いエリウゲナに翻訳さ
ChatGPTによる真理の勇気 その2 ギリシア哲学をキリスト教に接続した偽ディオニシオスのパレーシア
前回はギリシアの哲学のパレーシアの政治的な面と聖書の中の具体例、それをChatGPTでギリシアの原文からのデータ変換を検討。フーコーの指摘により聖書においてパレーシアに「神の愛への信頼、最後の審判の日に神が人間を迎え入れるやり方への信頼」が加わっているを見ました。そしてパレーシアは神秘主義の一つの極であるとフーコーは結論します。フーコーはその後、もう一つの極としてバレーシアに懐疑的な態度を取る人々
もっとみるChatGPTによる真理の勇気 その3 エリウゲナによる偽ディオニシオスのパレーシアのギリシア語からラテン語への翻訳
ギリシア哲学に起源をもつパレーシアが聖書に使われ、「神への信頼」「復活への信頼」の意味が付与され、偽ディオニシオスで使われているのも、同じ論調でポジティブなパレーシアと言えるものでした。
この文書はエリウゲナ(Johannes Scotus Eriugena, 810年? - 877年?)によって9世紀に翻訳されました。出典を失念しましたが翻訳チームを作っての翻訳であったようです。
エリウゲナ
ChatGPTによる真理の勇気 その4 エリウゲナの翻訳と修道院規則からパレーシアを思索する
前回は、3つのパレーシアのラテン語翻訳の訳しわけを検討し、一番初めのラテン語表現(Audebit autem et hoc dicere vera ratio 真の理性はこれを言うことにも挑戦するでしょう。)が,際立っていることを見ました。
その内容も「彼自身がすべてのものの原因であり、善の卓越性によってすべてを愛し、すべてを創造し、すべてを包み込み、すべてを変え、また最高の最高の神聖な愛です