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ロマネスク美術など

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ロマネスクはじめ美術作品について
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#ロマネスク

ヨーロッパ中世 修道院の同性愛 コンクとヴェズレイの彫刻をもとに

 フランスのカトリック教会コンクのサント=フォワ(*)のタンパンの彫刻のこの右端のウサギ耳の動物はウサギの頭を持った堕天使とのことで男色(ソドミー)の象徴とのことで反自然とのこと。
 調べたところ、ウサギはギリシア時代から毎年肛門ができると誤解されていたり糞食する動物だかららしい。男は下向きに縛られて焼かれている。そして、顔も下向きにうなだれて火の中にいるカエルにキスされている。カエルとキスをする

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南フランスのサン=ジル=デュ=ガールという教会のロマネスク彫刻について

南フランスのサン=ジル=デュ=ガールという教会のロマネスク彫刻について

 どのくらいこのことについて書いたのかわからなくなってきましたが、一度まとめておきます。40年弱くらい前に学生時代に友達に連れられてフランスのロマネスク寺院のいくつかを回った。ロマネスク彫刻の写真を撮影したのでネットで公開する時に解説記事をつけようと思って、美術史や哲学の本を読んで時々レポートしています。
 20世紀終わり頃全世界的に流行ったフランスセオリーの煽りを受け、ロマネスク美術の評論にもデ

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ロマネスク教会のコンクの地獄(煉獄)絵図ー中絶・堕胎

ロマネスク教会のコンクの地獄(煉獄)絵図ー中絶・堕胎

フランスのオック地方にあるロマネスク教会コンク(Conques)の地獄絵図の解読はエミール・マールの本に載っているけど全て載っているわけではない。アンブロワーズ・セグレさんによるコンクのタンパンの詳しい解説がある。ただし、学術的に認知されたものかわからない。引用文献で目立つのはル・ゴフの煉獄の誕生くらいである。

https://www.art-roman-conques.fr/english/s

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ロマネスク教会とボーヴォワール

ロマネスク教会とボーヴォワール

前にも書いたと思いますが、無神論を標榜していたボーヴォワール(サルトルの契約恋愛の相方)はなぜかロマネスク教会を見て回るのが好きだったようで、

・『決算のとき』朝吹三吉、二宮フサ訳 紀伊国屋書店 1973-1974 (Tout compte fait, 1972)

第四部(上)p243:

上巻p234からロマネスクについて旅行記として触れられている。かなり細かく回っている様子。サン・サヴァン

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