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新しい知見を得るまで思考を続ける

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意見を持ち主張することの良さと悪さ

西洋では当たり前とされている自分の意見を持ち、それを主張することが日本人の若者にも求められ始めていると感じる。 西洋から取り入れるべきこととそうでないことの議論はここではしないがとりあえず世間では強い自己主張という特性を取り入れようとしている。 最近、特にSNSでは自己主張をしっかりと行う人が増えてきた。そして、これによる社会の変化がみられるようになった。 まず、感じた変化はSNS上で対立した意見を持った人たちが議論しあう場面が増えた。そして、テレビやYouTubeでも

    • 人生を直線的に生きる人間

       ティム・インゴルドさんのメイキングという本を読んで、これまでの自分は何かに向かって直線的に生きてしまっていた部分があったのではないかと考えさせられた。  メイキングでは筆者が人間が物を作るときにどのように考え実現するのか、というものづくりの際の思考過程から人間の思考について理解を深めていく。そして、この本の最後の章では人類の考え方についての示唆が与えられる。  「高度にデジタル化された社会では、ものより対象に、運動よりも可動性に、手書きの文字やドローイングよりも印刷され

      • 深めることと広げること

         スコップで穴を掘るときにただ縦に掘り進めると、穴が狭くなりスコップを自由に動かせなくなる。こうなると掘る効率が落ちるだけでなく硬い岩が見つかったときに方向を変えることが出来ない。  行き詰まることを防ぐために横に広げで掘る。この時、あまり広げすぎても掘る量が増えてなかなか進まなくなる。つまり、掘り進めるにはスコップを自由に動かすために必要な分だけ広げて掘ればよい。こうしておけば岩に当たっても広げて掘って避けることができる。  何かの理解を深めたいときもこれと同じである。最初

        • 大学の授業は分かりにくいというけれど

           近年,youtubeなどによる解説動画の配信が盛んにおこなわれている.その解説動画の内容は本の解説、歴史の解説、高校数学の解説など多岐にわたる.ある大学で習う数学の解説動画では、「大学の授業は分かりにくい」という話と「授業は外部に委託するべき」という話があった.  授業をすることを専門とした人間の授業に比べれば大学教授の授業は分かりにくいのは確かだろう.読みにくい字や聞き取りにくい話し方をする教授もいたし生徒の理解そっちのけで教科書と向き合っている教授もいたが、このようなこ

        意見を持ち主張することの良さと悪さ

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        • 考察
          13本
        • 何となく
          0本
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        記事

          血液型診断の力

          血液型診断は当たらないだろうか? 医学の観点から血液型が性格とかに与える影響が大きいか小さいかを考えると血液型が性格を左右するとは考えにくいというのが一般的だろう。 でもその考え方には足りない部分がある。 それは心理学の観点と時間スケールを広げてみる考え方だ。 まずは心理学の観点から二つのことに着目する。 人は自分の性質を発見するとそのように振る舞う。これはおそらく自己矛盾を回避するためにとっている行動だがこの性質の力は強い。 すべての人は色々な側面を持って生きて

          血液型診断の力

          抽象的世界の方が本質では?

          PDCAについて書かれた本で「自分の行動のすべてを数値化して客観視することで何をやればどのくらい変化が起きたかを調べることができ、日々の活動の効率化が可能だ」という内容がある。これ以外の本でも数値化して表すことで自分を客観視することを進めているものはいくつかある。 数値化することで見やすくなることもあるかもしれないが本質を見れているのだろうか? 個人的な話だが飛躍していて今までの考えとは大きく異なるアイデアが論理的に過去の考察とつながった時、寒気のようにゾクゾクし、心臓の

          抽象的世界の方が本質では?

          葛藤から得られること

           「葛藤の持つ意味とは?」の続き同じことを違う観点から考えることは思考を深めるために役に立つ 色んな観点から眺めてピンときたものについて再び色んな観点から眺める。こうやって思考を深い物にしていく 「働き方5.0」、「10年後、生き残る理系の条件」などの本で専門性を持つことが必要といわれている 専門性を持つためには専門とすることについて深く掘り進む思考が必要になる。 「思考の整理学」、「京大式DEEP THINKING」では答えがあることに特化した多くの人の能力不足を気

          葛藤から得られること

          葛藤の持つ意味とは?

           やるかやらないか、捨てるか捨てないか などと悩むとき決定打にかける意見を何度も巡らせる 「迷ったら実行すべき」とか「迷うくらいならやめろ」などと状況によって判断を決めておくのが効率的としている つまりは葛藤は時間の無駄だからやめるのが良いというわけなのか ではなぜ葛藤するようにできているのだろうか? 2つの事柄から葛藤の意味を考える 葛藤することとしてよく思い付くのはリスクのある事柄だろう 必要かもしれない高価なものを捨てるかどうか、この株を買うかどうか、進学るか就

          葛藤の持つ意味とは?

          感情増幅器

          研究者は機械的になるのではなく感受性豊かになるべきと山中伸弥先生などの研究者が言っている ではどうやって感受性を豊かにしていけばいいのだろうか 感受性を心の変化として考えるために大衆の心について扱っている宗教からヒントを得る 様々ある宗教の中で外界からの心の変化について扱っている禅からヒントを得ようと思う。ただしここでは心の扱い方のみに着目する 禅では心の変化をコントロールするわけでもなく無視するわけでもなくただ受け取ることを良しとしています ではこの状態は感受性豊

          感情増幅器

          代替えして考える

          日経新聞と工学系のニュースが主な情報源のため最近のニュースは詳しくないがたまたま知ったニュースについて移住に代替えして考える 今までの環境では活躍できなくなったり今までの規制の厳しい環境に不満を持つ人が新たに開拓された自由度の高い似た環境に移り,活躍している. 上手に両方の環境を利用する人もいれば完全に移住する人もいる. 厳しい環境で生きてきた人が別の環境に移住する時,環境の変化に対応する難しさはあるがそこそこの生活を送ることはできるだろう. このような状況で厳しい環

          代替えして考える

          過去の自分の考え方を振り返ってみる

          2年くらい前の自分が書いた文章を見返してみると今の考え方につながった過程がわかって面白い.以下はその文章である. 今はまだディープラーニングをどう使ったらいいのかわからない状態になっていると思う. ディープラーニングは多くのデータを機械が学習しそれをもとに機械が判断を下せるようになるというものと認識されている.この技術は革新的なものではあるがしょせん人間の劣化版というようなものとしか認識されていないと思われる. ここで、自分の考えるディープラーニングの使い方は自分の相棒

          過去の自分の考え方を振り返ってみる

          良い点、悪い点があるとき

          自分がやると決めたことを続けることはやり抜く力を鍛えるために必要なことである.そして途中でやめることはやり抜く力を弱くすることになり悪影響であるということが知られている. これはGRIDという本など色々な本で言われている. 今回はこのやり抜くことによる悪影響がある場合について考えてやり抜くことについての考えを深めていく. 中学生のころ夜寝る前に少しきつめな筋トレをするルールを作り、毎日行っていた。この頃、GRIDなどは知らなかったので「途中でやめるやつは何でも中途半端に

          良い点、悪い点があるとき

          簡単にすべきこととそうでないこと

          難しいことを簡単に行うことはどんな効果を生み出すだろうか. 難しいことを簡単にできるようになると違う難しいことに頭を使う余裕ができる これは効率のいい人(問題にならないのであいまいな定義とする)が持つ能力の1つとなっている 難しいことを簡単にすることは単純に良いこととしていいのだろうか. 難しいことを簡単に行えるようにするとき、どうやって難しさを取り除きながら目的を果たすかを考える.このように簡単化をしたとき、目的以外の部分の行動で得られる要素(要素については以前のn

          簡単にすべきこととそうでないこと

          問題を解くこと

          数学や物理などの問題を解くとき以下の2つの考え方がある 1つ目は問題の解答方法を知っていてそれに当てはめること 2つ目は解法はわからないが知識を組み合わせて導くこと 多くの人は受験のために勉強してきたのでその考え方を活用するために実際に良く出会う日常の問題に当ていこう とりあえず自分が死んだ後にどんでん返しがあっても関係ないとしても死ぬまでは正解かどうかはわからないので自分が納得できる選択をした時を成功したとする.(この定義については今回は議論しない) そして納得で

          問題を解くこと

          勉強を教えるときのポイント

          人に勉強を教えるときに気にするべきことを忘れないように記録していくことにする 記憶への定着のための考え方とテクニック、勉強させる前にするべきこと、教えるためのテクニック 記憶への定着のためには思い出す行為、頻度、関連付け、環境が大切になる. 思い出す行為を引き出すためには解き方を見ないで解くことはが必要で、数学だと一通り流れを確認したら見ないで覚えている部分を最後まで記述して確認するという方法になる. 頻度としては大体3分、1時間、1日、1週間というように間隔をあけて

          勉強を教えるときのポイント

          継続は力なり

          「継続は力なり」といわれるが同じことだけやっててもいいのだろうかと疑問に思う.「間違っていることは何度繰り返しても間違っている」という高校の先生の言葉もその通りではないかと思う. この疑問について考えていくことにする. まず継続することで確実に得られることとは何だろうか. 継続によって得られる「やり抜く力」などの副次的な利益は考えないものとすると,継続によって得られることはその行動の繰り返しで得られることに限られる. では行動で得られることとは何だろうか. 簡単のた

          継続は力なり