簡単にすべきこととそうでないこと

難しいことを簡単に行うことはどんな効果を生み出すだろうか.

難しいことを簡単にできるようになると違う難しいことに頭を使う余裕ができる

これは効率のいい人(問題にならないのであいまいな定義とする)が持つ能力の1つとなっている

難しいことを簡単にすることは単純に良いこととしていいのだろうか.

難しいことを簡単に行えるようにするとき、どうやって難しさを取り除きながら目的を果たすかを考える.このように簡単化をしたとき、目的以外の部分の行動で得られる要素(要素については以前のnoteに記載)は変化する.つまり目的は達成できるけどその目的以外の利益を失っているかもしれないということだ.もちろん失う利益だけでなく新しい利益もあるだろうが、得られる要素が変化することは確実だ.

最近はやっている本のまとめ動画の例を考えてみる.1冊の本を10分程度にまとめて紹介する動画では読むのに1時間くらいかかる本の内容を簡単に短時間で知ることができる.この簡単化では何が変化しているのだろうか.

この動画の内容を詳しく考えると、動画制作者が本の中で意識を向けた情報かつその人の経験から想像できること、などと製作者によるバイアスが強くかかった内容となっている.知識の獲得という目的は達成できるが自分の経験と関連付けて想像する機会や自分なりの解釈は得られない.もちろん他人の解釈を得ることができるので完全に悪とは言えないが以前紹介した関連付けという大切な要素は失われてしまう.

他にも、難しいことを簡単にする能力を育てられなくなることも考えられる.

これは教育現場でよく出てくる問題だと思うが難しいことを難しいままにすると獲得する知識量が少なくなってしまうが簡単にしすぎると考える能力が低下して応用能力が低下してしまう.

以上の例から難しいことを簡単にすることが必ずしも正しいとは言い切れないことがわかった.

これからは簡単化によって得られることと失うことに注目してみることにしよう


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