asami koizumi

アートや表現で生きのびるためのアイディアを綴る。表現の場づくり、アートプロジェクトの記…

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アートや表現で生きのびるためのアイディアを綴る。表現の場づくり、アートプロジェクトの記録、コーディネーター(修行中)をしています。

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守屋友樹『潮騒の部屋』

鑑賞した作品について身体(そこで見たパフォーマンス、絵画、舞踊の中の、そしてそれを見るわたしの)に重点を置きながら、考察するシリーズ 守屋友樹『潮騒の部屋』 会期|2024年 4月4日(木)- 4月21日(日) 会場|半兵衛麸五条ビル2F ホールKeiryu  人のいない遠くに山の見える風景、背の高い草っ原、雲と光…プリントされた風景の展示の中には額装されずにプリント紙の上辺だけを留めて紙がたわんでいるものもある。会場の奥までたどり着くと山並みとそれを取り囲むように奥へと

    • ナオミ・リンコン・ガヤルド『ホルムアルデヒド・トリップ』

      鑑賞した作品について身体(そこで見たパフォーマンス、絵画、舞踊の中の、そしてそれを見るわたしの)に重点を置きながら、考察するシリーズ 上映パフォーマンス『ホルムアルデヒド・トリップ』 日時|2024年1月14日(日)18:00開演 会場|京都芸術センター・フリースペース(南館1階) https://tonari-aruku.kyoto-seika.ac.jp/event/413/ ナオミ・リンコン・ガヤルドはミニマリストではなく、"more means more" 多け

      • 愛知県芸術劇場 ソーシャルインクルージョンワークショップレポート⑶

        愛知県芸術劇場実施された『ソーシャルインクルージョンワークショップ2021〜アートとコミュニケーションについて体験し・考え・話す3日間〜』。障害とアートやコミュニケーションについて答えを決めずにいくつかの切り口で考えた時間をレポートとして残す。 3日目 アートとコミュニケーション そもそも障害とは? 最終日にはドキュメンタリー映画『記憶との対話〜マイノリマジョリテ・トラベル、10年目の検証』(2016)を上映し、感想をもとに参加者が障害とアートをめぐり考えるプログラムが行わ

        • 愛知県芸術劇場 ソーシャルインクルージョンワークショップレポート⑵

          愛知県芸術劇場実施された『ソーシャルインクルージョンワークショップ2021〜アートとコミュニケーションについて体験し・考え・話す3日間〜』。障害とアートやコミュニケーションについて答えを決めずにいくつかの切り口で考えた時間をレポートとして残す。 2日目 アートとコミュニケーション 情報保障とは? 情報保障とは、代替手段で情報を伝えることで、これまで情報を得られなかった人たちの知る権利を保障する取り組みである。舞台芸術の分野では、より多くの人が劇場を利用できるようにする、アク

        守屋友樹『潮騒の部屋』

        • ナオミ・リンコン・ガヤルド『ホルムアルデヒド・トリップ』

        • 愛知県芸術劇場 ソーシャルインクルージョンワークショップレポート⑶

        • 愛知県芸術劇場 ソーシャルインクルージョンワークショップレポート⑵

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        • SIWレポート2021
          3本
        • ブンカのきろく
          4本

        記事

          愛知県芸術劇場 ソーシャルインクルージョンワークショップレポート⑴

          2021年1月28日から『ソーシャルインクルージョンワークショップ2021〜アートとコミュニケーションについて体験し・考え・話す3日間〜』が愛知県芸術劇場で開催された。イベントチラシには「アート?」「情報保障?」「福祉?」「インクルージョン?」など近年の劇場の企画でもよく聞かれるようになったキーワードと疑問符を頭に浮かべた人物のイラストがデザインされている。劇場担当者によれば、障害とアートにまつわる企画を自主事業として数年前から始めたが、そうした企画はアートとは何か、障害とは

          愛知県芸術劇場 ソーシャルインクルージョンワークショップレポート⑴

          梅雨の希望

          5月のなかば緊急事態宣言が解除されてからここまで。新しい仕事の忙しさにかまけて執筆を怠ってしまった。その間に私は疫病による非日常を感じることをおざなりにしていただろうか。スーパーに買い物に行くことさえ躊躇われて、それで持て余す時間に恐れをなして人気を避けつつ何かを探しに川辺をやみくもに歩き回った日々が少し遠く感じられる。私たちの置かれた状況で何が確実なのか答えは与えられぬまま、宙に浮き、梅雨の始まりとともにうやむやに日々の仕事や人との交わりが戻ってきた。 それでも日本で常套

          梅雨の希望

          ハワイの歩きかた

          ハワイにいたころその地での歩きかたを覚えた。ゆっくりと手をぶらぶらとさせて歩く。びっくりするぐらいゆっくりと。 仕事場のハワイ人のボスと並んで歩いていると、知らぬまに一人だけ前に進んでいて驚いた。彼は脳出血を起こして麻痺があったのも事実だが、とにかくゆっくり歩いたし、抜かされても置いていかれても追いかけることはなかった。日本では相手の歩調に合わせて歩くことが多かったから、気づかずにボスを置いていってしまったことに驚いた。ハワイの人々は車社会に生きているからほとんど道は歩いて

          ハワイの歩きかた

          無人劇 unmanned play のもたらす余白

          京都の東九条で劇場Theater E9を運営するあごうさとし コンセプト・演出の無人劇を見た。 人のいない劇。それは、出演者もスタッフも受付も、そして観客もいない劇。 その場合、できることは、呼びかけること、呼び声を発すること。 おそらく唯一可能であろう原理のみを用いて、演劇を行う。 公演にあたって -note- 作品のコンセプトの都合上、どなた様もご来場なされませぬようお願い申し上げます。開演時間になりましたら、その時間にお客様のおられる場所で、一度、大きく呼吸をいただ

          無人劇 unmanned play のもたらす余白

          動画から体から無限の粒子へ

          SNSに流れ込んで来る情報から、何か引っかかることを見つけたらメモに残す。すぐに検索する。そうしないと次の瞬間には忘れてしまって、ヒマになってしまう。 尋常ではない状況に、慣れてなくてはならないと私はプレッシャーを感じている。一人一人が置かれた状況は様々だ。毎日医療現場に変わらずに電車で通わなければならない人。接触を避けつつ、締め切りのあるプロジェクトを終えるために日々膨大な仕事をこなす人。突然失業者になってぼんやりしていると連絡をよこす人。置かれた立場は一人ずつ異なってい

          動画から体から無限の粒子へ

          2020ブンカのキロク 春(1)

          小さな画面で映像をひとりで見続けるとすぐに飽きてしまう。溢れる無料コンテンツにあるときは喜び、あるときには辟易とする。詩人は人々を覗き見て詩を綴る。今は、書けることを少しずつ文字に残しておき、誰かに読まれるかもしれない形で開いておこう。 noteでの執筆をコロナから始めなければいけない。去年まで大学院に所属していた私はようやく組織から離れて、仕事を始めた。人に話を聞き、活動を始め、生きていくぞとワクワクしていたわけだが、全て現在進行中の新型コロナウィルス への感染対策のため

          2020ブンカのキロク 春(1)