シェア
靑生ふゆ
2021年11月3日 13:47
此処は月。 幾光年を越へて、やはり僕は戻ってきた。そう思って居たよ。 独り乗りのグリーンライト製宇宙船は故障している。月に暫くは暮らす定めだ。 僕はカプセルスイツのジップをしっかり口許迄上げ、立ち尽くした。方々を見る。「美しひところには、いつも海があるナア。」呟く。 凹凸が成した沢山の海。月の海達。 今僕は、そのうちの一つの砂浜に立っている。嘆きの海。昔の人は幾分も詩的だったのだな
2021年11月30日 08:29
モン氏は帰路についていた。月は細く、不安になる。三億光年の旅がやっと終わったというのに。 モン氏の帽子はボロボロになって、足は痛いが、家に帰るのだ!三億光年と二歳になった鼠が待っていてくれる筈だ。モン氏はそれを考えると目を細めた。 この長い間、ずっと本当の星を探していた。 それはモン氏がかつて生活をしていた、この青い月が上る惑星でもなく、どんな美しい星々でもなく、流星群でも、小惑星群で
2022年11月5日 17:25
宇宙交信局、応答セヨ[ツー…ガジン。]僕等はクレーターの上歩き学校へ行く光の黒板、蟲の文字交差する声、声、声…(ねえねえ。)(あの子が死んだって知っているかい?)ペットのヤミヤミ連れて花を摘んで宇宙遊泳[ガウガウ!]炭素になった花びら宙を舞いーーー。ラヂオは放映する君のこゝろの中迄もマザーは総て知っていて僕は空気の吸い方を知らない(永遠の窒息。)塔へ征くんだ!破