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植物はなぜ動かないのか 弱くて強い植物のはなし

現在開催中の個展で発表している映像作品は、雑草学者の稲垣栄洋さんが話した「足並みそろうと全滅しちゃうので。」というの言葉をきっかけに制作したものです。

それから、著書を何冊か読み、雑草の多様な生き方や、植物目線の稲垣さんの語り口に引き込まれています。

「植物はなぜ動かないのか 弱くて強い植物のはなし」 には、踏まれても踏まれても立ち上がるイメージの雑草も実は「踏まれたら踏まれたまま」だとあり、それを活かしていきてくだけというかしなやかさとしたたかさにやられます。

しかも、雑草に根性を重ねてしまうのもどうやら日本特有だとも伺えて面白い。海外では、人間を邪魔する悪でしかないんだとか。

「あなた温室育ちですね」と言われるより「雑草みたいですね」と言われる方がなんだか嬉しい人が多いのではという比喩も出てきて、雑草へのイメージからあぶり出される日本人の価値観にも気付かされます。

また、描かれているのは日本と海外の比較だけではなく、人間の生き方への問いも伺えます。

例えば冒頭には、なぜ動かないのかを植物に尋ねたら「どうして、人間はあんなに動き回らなくてはいけないのだろう。」と答えるだろう、と書かれています。私はそれを今の自粛でもどかしい状況と重ね合わせて、今後の世界に思いを馳せたりしています。

サブタイトルにもある通り、雑草の生き方を紹介しながらも弱さ・強さは何かを語っていて、生物のお勉強をしながらとても温かく心強さを感じる本でした。

こちらの本を参照しながら作った30分の映像作品を現在公開中です。東京23区で一生懸命生きる雑草がたくさん出てきます。家でゆっくりご覧ください。

ご鑑賞は下記のnote記事から🌱


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