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♯112.「ブライダル補助金の謎」本当の少子化対策とは?

 今回の話題は「ブライダル補助金」についてです。世間からは散々な批判が寄せられていますが、自分もその批判に同感です。
 少子化対策という名目で提案されているものの、実際にはどうやらウエディング業界への利益供与にも見えます。この政策が、税金を使ってウエディング業界に還流されるのは、何とも利権的な匂いが漂ってしまいます。さらに、結婚費用までも補助金に依存するカップルが現れるのは、なんとも心配です。

 言い換えれば、日本の政治家の視点や政策選択が、実際の問題に対してズレているのを感じざるを得ません。ガソリン価格や日用品など生活必需品が高騰し、経済的にも苦しい中で、減税の方針は見当たりません。
 また、税金の使い方も疑問視されることが多く、効果的な取り組みが見当たりません。結婚式や子育ては個人の自由であり、またその後の経済状況や意向に大きく依存します。本気で少子化対策を考えるのであれば、減税などの実質的な政策が必要だと考えます。

 実際、子育てには多くのお金がかかります。調査したところ、子ども一人に必要な月収は約28万円、子ども二人を育てるための最低年収は約600万円と言われています。子供一人当たりの養育費は約1993万円、全て国公立校の場合は約2694万円、全て私立校の場合は約4021万円かかります。また、2021年の厚生労働省の国民生活基礎調査によると、子育て世帯の平均所得金額は813万5000円で、中央値は722万円と報告されています。

 これらの数値を見ると、子育てには多額の費用が必要であることが分かります。自分のような状況では、子育てに十分な準備をすることは困難だと感じます。年齢も中年であるため、十分な体力を持って子育てに臨むことが難しい状況なのもあります。若い時に十分な稼ぎを得られなかったことや先天的な障害を抱えていたことが今の状況に影響を与えています。

 したがって、自分自身は結婚や子育てには無縁であると考えますが、政府は少なくとも子育てにかかる費用をどのように準備するか、具体的な計画を示すべきだと思います。現在の物価の高騰や社会保険料の徴収が増加の一方を辿る中で、日本の今後の成長を鑑みると将来の経済的な不安は高まっており、子育ては高い稼得能力を持つ若い人々にしか実現が難しいと感じます。

 また、子育て自体が容易なものではないことは周知の通りです。現在の状況では、半ば当人たちの努力と善意によって子育てに取り組むことを余儀なくされています。ワンオペ育児や障害のある子どもを育てる場合があるなど、決して十分な支援が行き届いていると言い切れないでしょう。

 そのような状況の中で、政府が「ブライダル補助金」という提案をすることに対しては、率直に言って疑問を感じざるを得ません。本当にこの政策が効果的だと信じているのであれば、その政治家たちの資質や洞察力を疑う必要があります。

 結婚や子育ては、ただのイベントや費用の問題ではありません。それは個々の人生と家計に大きな影響を及ぼすものです。そのためには、政府は単なる補助金ではなく、より根本的な支援策や社会全体の環境整備が必要だと考えます。経済的な負担を軽減し、若い世代が安心して結婚と子育てに取り組める社会基盤の整備が不可欠です。

 このような課題に取り組む際には、広く専門家や関係者との議論や意見交換が重要です。また、単なる短期的な政治的な狙いだけでなく、長期的な視点で社会の健全な成長と発展を考える姿勢が求められます。

 今回の内容では、「ブライダル補助金」についての自分の意見を率直にお伝えしました。少子化対策や結婚・子育て支援には、より包括的で長期的なアプローチが必要であり、政府の政策が現実の課題に適切に対処するための真摯な努力が求められると感じています。

 ここまでお読みありがとうございます。暑い日が続いています。読者の皆さんも無理をせず、ご自身の体に気を配りながら健康を保たれることを願っております。

【参考資料】


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