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【今週の1冊】2020年11月④『超AI時代の生存戦略』落合陽一(大和書房)

テクノロジーの発展が著しく、変化の激しいこれからの時代には、どのような生き方が適しているのだろうか?本書からはそのような時代に自分らしく生きるためのヒントを学ぶことが出来る。

本書では、インターネットが発達し、あらゆる専門性がコモディティ化していくこれからの時代において必要となるスキルやマインドセットについて述べられている。全体は大きく3つの章に分かれており、それぞれ超AI時代の「生き方」「働き方」「生活習慣」について書かれている。

まず本書ではワークライフバランスならぬワーク・アズ・ライフというスタイルが強く推奨されている。これは"差別化した人生価値を仕事と仕事以外の両方で生み出し続ける”というものである。確かに趣味を配信してお金を稼ぐYoutuberのような職業があることを考えれば、現時点ですでに仕事とそれ以外の生活を完全に分ける生き方がすべてではないように思える。本書の中でも、専門性のコモディティ化が進んだ社会ではもはや趣味でしか自分の独自性を保てないというようなことが述べられている。よく「努力は夢中に勝てない」と言われるが、夢中になれるような趣味で成果を出してお金を稼ぐ生き方が、これからの時代で淘汰されずに自分らしく生きるために重要なのだろう。趣味性の部分で述べられている「ギャンブル的」「コレクション的」「心地よさ」という3つのパラメーターは自分の趣味をより充実させるためにとても参考になる。

また大学生としては、これからの時代の学び方がとても気になるところだが、本書では「フックをかける」ような知識のつけ方がよいとされている。つまり、ググればたいていのことはわかる時代においては、あらゆる知識に触れておぼろげながらにでも覚えておけば、必要に応じて検索ができるということだ。ただしそれだけでは検索エンジンの劣化コピーでしかなく、文中でも何かしらのスペシャリストであることは大前提であると書かれている。こう考えると、よく言われる「T型人材」を育成する教育というのはなかなか芯を食ったやり方なのだろう。

本書では他にも様々な観点から超AI時代の生き方について述べられており、どれもこれからの人生のヒントとなるものばかりだ。落合陽一の本独特の難しさはあるが、それも含めいい刺激になると思うので是非読んでみてはいかがだろうか。


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