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【エッセイ】小沢健二と泣いた夜〜約一万人の大合唱で思ったこと~

”俺ハタチだったんだよ~”

仕事先から急いで向かった

武道館の入口で
そこかしこから漏れ聞こえてくる声

今日ここに集った人達のほとんどが
いま同じような気持ちで
ここにいるんだな

もちろん私も。

そんな想いと思い出とが
(ほんのり)強すぎる我々が集った

小沢健二
「一夜限りのLIFE再現ライブ」
15分遅れで始まった。

そしてそれはなんと
LIFEには収録されていない曲から…

✔彗星

✔流動体について

✔ぶぎ、ばく、べいべー
(スチャダラパーとの30年振りのコラボ曲)

何曲かのあと
皆がこう思ったに違いない…

「え?今日ってLIFEやるんじゃないの!?」

その後のMCでオザケンが

「あ、前半はLIFE以外のをやるからね!

だってLIFEだけだと

すぐ終わっちゃうじゃん…」

あ。そっかぁ!

そうだよね~^^w

あのアルバムは1時間もない!

そっかそっかぁ

みんなで笑ったあとオザケンが言った

「まぁみんなそう焦らずに!
一回落ち着いて座って下さい」

的確なアドバイス。

確かに
あれから30年経った我々は
年齢的にも
無理なく…

だよね^^

とそのような中

私がひときわ感動したのが
大好きな曲

まさか聴けると思わなかった曲

「大人になれば」

が聴けたこと

確か10年程前、この動画を見て

オザケンそっちのけで

ピアニスト、渋谷毅に夢中になっていった

映像の中で弾く
渋谷毅さんのあまりに素敵な演奏に
すっかり聴き惚れてしまった私は

動画を繰り返し見るも

イマイチ顔が見えない…

でも、どうしてこんなに美しい音なんだろう

一体どんな方なんだろう…

調べてみると渋谷毅さんは

"JAZZピアニスト"とのこと

そのときに開催されていた

”横浜JAZZプロムナード”というイベントに

参加中とも書いてあり

どうしてもお会いしたかった私は
友達を連れ立って
横浜のダウンビートという
JAZZクラブに初めて足を
踏み入れることとなる
(好きのパワーってすごい💓)

そうして初めてお目に掛かったあの日

演奏が終わって

どうして俺のことを知ったの?と聞かれ

”小沢健二さんの"大人になれば"の
動画を見て感動して
お会いしたくて来ました”

というと

「あぁアレ!
俺も見たことあるよあの動画!
こういう曲だったっよね?」

と渋谷さんは自分のことなのにそういって
最初のフレーズを弾いてくれた

それから渋谷さんの演奏会に
足繫く通うようになったあの頃

今回はアルバム「LIFE」の曲だけ
とばかり思っていたので

全く期待していなかったものの

急にあのフレーズが
武道館いっぱいに響き渡った

”え!?まさか!”

と同時にオザケンが言った

「ピアノ、渋谷毅、ベース、川端民生!」

そして、涙で声を詰まらせまがら
歌っていたオザケン

当時28歳だった小沢健二さんは現在56歳

当時56歳だった渋谷毅さんは
まもなく85歳を迎えようとしている

ベーシストの
川端民生さんは既に他界

今、改めてこの動画を観ると

二人のレジェンドに囲まれた
若いオザケンがキラキラ眩しく

とても輝いて見える

渋谷さんの演奏でオザケンが歌うこの曲を

私は一生のうちにあと一回でも聴けるだろうか。

今夜、聴けて本当に良かったと思う

もちろん

肝心かなめの「LIFE」の曲はどれも素晴らしく全てが最高で

幸せで

隣の席の女性が
一曲目から泣くものだから

私もついつい感慨深くなり

”いちょう並木のセレナーデ”の頃には

溢る涙を止めなられなかった

そしてまるで一瞬かのように
全ての演奏が終わり

ライトが付いて終焉…

と思いきや

”えーー!終わりたくない!”

観客のみんながそう叫んでいた

オザケンは

「もう本当にやる曲無いよ
大丈夫だから
日常に戻ろう」

というも

”えーーー!!”

ゴネる観客

するとオザケンが

「愛し愛されて生きるのさ」

をしっとりと弾き語り始めた

この曲は元々アップテンポだから

まさかこの曲で
泣く事なんてないと思っていたけれど

スローテンポで歌うオザケンが
途中から泣きながら歌うもんだから

私達も熱唱しながら泣きながら歌った

また今の私達が歌うと
改めて歌詞の切なさに
感慨深くなることに気付かされる

”ナーンにも見えない夜空仰向けで見てた

ちょっと手を伸ばせば僕らは手を繋げたさ

けど そんな時は過ぎて

大人になりずいぶん経つ

ふてくされてばかりの

10代を過ぎ

分別もついて年をとり

夢から夢といつも

醒めぬまま僕らは

未来の世界へ駆けてく

月が輝く夜空が待ってる夕べさ
突然ほんのちょっと誰かに会いたくなるのさ

そんな言いわけを用意して
君の住む部屋へと急ぐ

いつだって可笑しいほど

誰もが誰か愛し愛されて生きるのさ

それだけがただ僕らを悩めるときにも

未来の世界へ連れてく”

あの夜オザケン含め

それぞれがそれぞれの

"あの頃の自分"に出会っていたように思う

そして一瞬

"あの頃の自分"を過去にきちんと
置いてくることができたような
そんな気もしたけれど

いやいや!そうではない

あの頃の愛おしい自分を引き連れて

今日を生きよう!

Life is coming back♡

最後までお読み頂きありがとうございました🙏✨

アラフォーからの豊かな人生をガイドする
ライフクリエイター朝比奈 卵


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