【エッセイ】大納言と絶望
昼休みに見ていたテレビで、土井善晴先生がつぶあんを炊いていた。
ああそんな季節か、とほとんど無感動に思ったあと、やや、もうそんな季節か! と強烈な焦りを覚えた。
カレンダーを見る。彼岸までの休みを確認する。うーん、今週しかないか……。
というわけで、今週は実家であんこを炊いた。いつだったか買っておいた小豆は大納言で、ふっくらと見事に炊けた。
途中、母に味見を依頼する。案の定「砂糖入ってんのか?」と言われ、砂糖と塩を追加。
やれやれ、秋が来ちまった。夏の思い出だってまだ作っていないのに。
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