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#2)ローター・バウムガルテンの伝えたかったこと。

ローター・バウムガルテン (Lothar Baumgarten、1944-2018)
ドイツの コンセプチュアル・アーティストであり、芸術における商業的側面や社会的役割について、批判的立場で、その作品で検証している。
もう少し詳細に触れると、それは、例えば、所有不可能な彫刻作品の制作もあるだろう。また、南米、アマゾン等で過ごした経験から、ドイツにおける伝統的な文化人類学とは違う形で、ヤノマミ族(アマゾンの先住民族)など南米の文化や人々の生活と自然との関わりについて作品で言及する作品を制作している。
Lothar Baumgarten - Da gefällts mir besser als in Westfalen

ローター・バウムガルテンのキャリアは、それまでの現代アートとは異なる、問いかけを体系的に行っている、それは作品に於いてだ。

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略歴
1968–69年、スライドプロジェクション作品「Unsettled Objects」では、80枚のエクタクローム(Kodak)を用い、オックスフォードのピットリバーミュージアムの遺物を、1874年に一般公開された時と同じように表示した。
1968-1970年、バウムガルテンは、ヨーロッパの複数の民族誌博物館が収集物の展示方法を通じて鑑賞者の知覚をどのように構成しているかについて、体系的な写真研究を行っている。
1973-1977年、「The Origin of the Night: Amazon Cosmos-98min」は、ブラジルの熱帯雨林とトゥピ族インディアンの映像作品。
1984年、ヴェネツィア・ビエンナーレのドイツ代表、A.R. Penck(1939 -2017/新表現主義:Neo-expressionism) と共に選出される、そのインスタレーション「America」:展示会場の床にアマゾン・オリノコ川系の七つの主要な川の名前が書かれていた。その ヴェネツィア・ビエンナーレには、1978、1984、2001年にも参加している。
1985–6年、Accèsaux quais(tableaux parisiens) では、地下鉄路線図のように見える図を用い、駅の名前はフランスの植民地活動を表記した。

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Accèsaux quais

1997年、ドクメンタX(カッセル) では、ヤノマミ(アマゾンの先住民族の地)での滞在のアーカイブを展示した。(ドクメンタ V(1972)、VII(1982)、IX(1992)、そして、X(1997)にも参加している)
1993年、ロサンゼルス現代美術館(MoCA)は、バウムガルテンに彼の旅行の写真ドキュメントの作品制作を依頼したが、その意図された部分は実現させず・・・。代わりに、写真は後に「Carbon」というタイトルのアーティストブックに11の短編小説とともに掲載されることになった。

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Carbon

1994年、ジャン・ヌーヴェル(Jean Nouvel, 1945- /フランスの建築家)が設計したカルティエ現代美術館(Fondation Cartier pour l'art contemporain) 建築のために、雑草と野生の花が溢れるモダンな中規模の森林庭園を造園した。庭園の名前であるTheatrum Botanicumは 、中世の僧侶が保管していた薬用植物やハーブの在庫を表す。
2002年、「Seven Rings for Contemplation」ニューヨークのビーコンにあるデニングのポイント州立公園の恒久的なパブリックアートを制作。
1994年-以降、ドイツのベルリン芸術大学(Universität der Künste Berlin, UdK)で教授を務めた。
2018年12月2日、死去、74才だった。

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Fig.Lothar Baumgarten

Open Storage: Unpacking a Voyage

(追記)ローター・バウムガルテンの伝えたかったことは、なんだったのか? 芸術における商業的側面や社会的役割について、批判的立場で作品化している訳だが、それは、文化人類学とは違う形だ。(ごく私的な視点で)文化人類学という学問体系について、申し上げると、それが当時の欧州の先進国の植民地政策に結びつく訳だ。そのあたりも、ローター・バウムガルテンは、汲み取り、その批判的な立ち位置で最期まで、作品が構成されてる。スライドのマルチ・プロジェクターは、現在では、Netを繋いだ状態でのPwoerPointと同様なデバイスだ。それは、その時点の「科学」の発展が「技術・アート」に展開せれているという事だ、いわゆる「学際(技術・アートは同義語)」の視点で考えると、ローター・バウムガルテンは、この時代の先端的な視点(極)で、観るヒトの視点(極)に問いかけているのだ。

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