見出し画像

ジョゼフ・クレパンの未来を予言する魔術の画家(アウトサイダーアート)

ジョゼフ・クレパンの未来を予言する魔術の画家(アウトサイダーアート/アールブリュット

ジョゼフ・クレパン(Joseph Crepin,1875-1948/仏)配管工・屋根職人、医療施術者(医療法に関係なく)、そして、アールブリュットの画家だ。(アウトサイダー・アーティスト)
ジョゼフ・クレパンの描く絵は、左右対称シンメトリーの異様な偶像や、インドやエジプトを思い浮かべる寺院等がある。
ジョゼフ・クレパンは、炭鉱夫で芸術家のオーギュスタン・ルサージュ(Augustin Lesage, 1876-1954/仏)の友人であった。
その絵画の範囲はアール・ブリュットであり、シュルレアリスムのムーブメントに入る。

画像8

画像5

『Composition n°6』(1938年)

『dessin n°8』(1939年)

画像3

画像4

『Sans titre』(1941年)

『Sans titre』(1938年)

『Sans titre』(1939年)

Joseph Crepin(public domain)

その絵画は、スピリチュアリズムに影響されて、63歳から、描きはじめた。
オートマティスム(Automatism)による自動書記で幾何学的な図形、そして、多くのドローイングを残している。
そして、お告げにより、「お前が300枚目の絵を描き上げたら、戦争が終わるだろう」と言われる。
1945年5月7日、ドイツが降伏したその日は、ジョゼフ・クレパンが300枚目の絵を描き終えて署名をした日であった。
その後、お告げの声が「45枚のシリーズを描きあげた日に、お前の仕事と運命が完成されるだろう」と聞こえた。
クレパンは、1947年10月に第2のシリーズにとりかかった。そして、1948年、彼の死の数日前に43点が完成されたところでクレパは亡くなったのだった。
そして、ジョゼフ・クレパンの望みに応じて、下書きのすべての絵と共に埋葬された。
ここまでの様相で、当時は、スピリチュアリズムの枠の中の画家だった。
ただ、その作品は、感性を揺さぶる作品だ。

画像10

Joseph Crepin

その絵画は、アール・ブリュット(アウトサイダーアート)であり、シュルレアリスムのムーブメントに入ると言われる。
アール・ブリュットは、1945年頃から、ジャン・デュビュッフェにより、造られた造語だが、それ以前の表象だ。
ここで、スピリチュアリズムの枠から、アンドレ・ブルトン(シュルレアリスムの展開)の評価により、この後のジャン・デュビュッフェによる、アール・ブリュットの発生につながるのだ。

(追記)アートブリュット(アウトサイダーアート)の魅力はなんだろう?それは、その作品を見れば、理解できる。この先に、体系的に考えるコラムや、また、いわゆるアートブリュットの発生以前の作家もランダムになりますが、コラムにして参ります。お時間の許す折、ご覧いただければ、幸いです。

この記事が参加している募集

コンテンツ会議

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?