エリック・フィッシュル：郊外の画家
エリック・フィッシュル：郊外の画家
一般的に適切な主題とは考えられていなかった郊外の画家- Eric Fischl
エリック・フィッシュル（Eric Fischl,1948- ）は、アメリカの画家、彫刻家、版画家、製図家、教育者。新表現主義、そして、 現代リアリズムのフィッシュルは、1970年代と1980年代のアメリカの郊外を描いた絵画を制作した。
エリック・フィッシュルは、彼の世代以前には、一般的に適切な主題とは考えられていなかった郊外の画家としての自身の特徴を受け入れてきた。
（註）新表現主義 / モダニズム
（註）新表現主義：モダニズムから、1970年代末から80年代にかけて、アメリカ、ドイツ、イタリアなどで興った新しい具象絵画の動向。
また、1970年代後半に登場したポストモダン(Postmodern) 絵画や彫刻のスタイル。
（註）モダニズム：19 世紀後半から 20 世紀初頭にかけて西洋社会で起こった大規模で広範囲にわたる変革から生まれた哲学運動。モダニズムを形成した要因には、近代工業社会の発展と都市の急速な成長、それに続く第一次世界大戦の反応があった。
エリック・フィッシュル（Eric Fischl）
エリック・フィッシュル（Eric Fischl,1948- /アメリカの画家、彫刻家、版画家、教育)
エリック・フィッシュルは、ニューヨーク市で生まれ、 フェニックス・カレッジ(Phoenix College/アリゾナ州)で2年間美術を学び、その後アリゾナ州立大学で学ぶ。そして、カリフォルニア芸術大学で学び、1972年に美術学士（Bachelor of Fine Arts）。 その後シカゴに移り、現代美術館の警備員として働く。
1974 - 1978年まで、ノバスコシア芸術デザイン大学（カナダ）で教鞭をとる。 1978年に、ニューヨーク市に戻る。
そして、エリック・フィッシュルは、ニューヨーク芸術アカデミーの評議員および上級評論家であり、1994年にギルドホール芸術アカデミーの生涯功労賞を受賞したほか、2006年にアメリカ芸術文学アカデミーの会員に選ばれた。
そのコンテンツは・・
エリック・フィッシュルは、彼の世代以前には、一般的に適切な主題とは考えられていなかった郊外の画家としての自身の特徴を受け入れてきたが、そのコンテンツは・・
フィッシュルの初期の作品のいくつかは、思春期の性をテーマとしており、「バッドボーイ」（1981年）と「バースデイボーイ」（1983年）は、年上の女性を見つめる少年を描いている。「バッドボーイ」では、被写体はこっそりハンドバッグに手を入れている。「バースデイボーイ」では、子供がベッドの上に、裸で描かれている。
2002年、フィッシュルはドイツのクレーフェルトにあるハウス・エステル・ミュージアムとコラボレーションした。
ハウス・エステルは、1928年にミース・ファン・デル・ローエが個人住宅として設計（1928年）した後、ミュージアムとなる。フィッシュルは、その住宅として改装して、モデルを雇って数日間、そこに住むカップルとして、写真を撮った。それをデジタル処理して、絵画のベースとしている。
ドガと比較すると・・・
2006年のエクスペリエンス・ミュージック・プロジェクト（ “Experience Music Project”/シアトルにあるポップス＆ロック・ミュージックのミュージアム）のダブル・テイク展（Double Take）で展示され、小さなドガパステルと称されたが・・・。エリック・フィッシュルがドガと比較されるのは、これが初めてではない。
（註）ドガ：印象派運動の創始者の一人（海辺の情景や歴史画などの他、日常の1シーンを切り取った作品）
以前に、ニューヨークのホイットニー美術館で行われたフィッシュルの絵画28点の展覧会をジョン・ラッセル（John Russell/英国・アメリカの美術評論）は、ニューヨーク・タイムズ紙で述べた。
「ドガは、比類のない洞察力と人物描写の繊細さで緊迫した状況を作り出し、それから立ち去って、私たちにできる限り理解させる。これはフィッシュルの手法でもあるが、彼が扱う社会には、構造化されていない残忍さと、解き放たれそうにない暴力があり、ドガが記録した巧みに調整された残酷さとはまったく異なる。」-John Russell
エリック・フィッシュルのアートワーク
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