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船の男:ロバート・ラプソン/アウトサイダーアート

船の男:ロバート・ラプソン/アウトサイダーアート


ロバート・ラプソン(Robert Rapson)

 ロバート・ラプソンと彼の陶器の船、飛行機、車。2010年

ロバート・ラプソン(Robert Rapson,1951-2020/ニュージーランドの陶芸家)
海が苦手で、船をあまり信用していない人なら、ニュージーランドのアーティスト、ロバート・ラプソンによるこれらの釉薬をかけた陶器の彫刻を見ても、おそらく落ち着かない気分になるだろう・・・。
その作品は、それほどまでに有機的で魅力的な作品だからだ。
愛らしく不格好な作品は、歴史的な船を再現したもので、海洋建築の堅固さを、ふわふわと溶けたような何かに変えている。
ロバート・ラプソンがこのテーマにこだわったのは、ウェリントン港(ニュージーランドの北島の最南部/首都)の近くで育ったことと、若い頃にヨーロッパへ行った5週間の大変に貴重な航海に由来する。
そして、これらは「感傷的」ではない、旅行がちょっとした気晴らしでもなく、真剣な仕事だった、その時代を反映している。
ロバート・ラプソンは、ウェリントンのメルローズにある海を見下ろす家で育ち、父は港湾局で働いていた。

ウェリントン港

ただ、残念なの事は

ただ、残念なの事は、そのロバート・ラプソンが、2020年1月に亡くなったことだ。
2020年に、68歳で亡くなったロバート・ラプソンは、最期まで美しい声と少しアイロニーも交えたユーモアのセンスを持った陶芸家だった。彼は、誰とでもどんなことでも会話できる魅力にあふれた人物だった。

Robert Rapson

船は彼の子供時代の一部であり

ラプソンは船が大好きだったのは、船は彼の子供時代の一部であり、彼にとって船は魅力、ロマンス、そして異国へ行く手段の象徴だったからだ。
彼は、母親マーガレット(カナダ人)を埠頭で見送った時のことを懐かしそうに語る。
「当時、お別れは大きな出来事でした。埠頭に行ってお酒を何杯か飲んで、それから吹流しなど、いろいろとやりました。それは大きな出来事でした。その後、異国情緒あふれる場所から絵葉書が届くのです。」-Robert Rapson

そして、彼は美しい女性(母親のような)と異国情緒あふれる背景を愛していた。また、不条理なものに対する鋭い目を持っていた。

ラプソンの陶器の船

Fig.ラプソンの陶器の船は、目的を持って作られながらも、特徴的な自由なスタイルで忠実に再現されている。

ラプソンの陶器の船は、目的を持って作られながらも特徴的な自由なスタイルで忠実に再現されている。 

彼の陶器の船は、目的を持って作られながらも特徴的な自由なスタイルで忠実に再現されています。船の裏側には、船に関する統計情報やちょっとした豆知識がペイントで書かれています。彼は、百科事典のような知識を持っており、自分のテーマに関する包括的なファイルを保管していました。遠くからでも、ウェリントン港(ニュージーランドの北島の最南部/首都)に停泊している船の名前をすべて言える程だった。

うつ病とその影響

ラプソンは子供の頃から、芸術家になりたかった。しかし、家族の友人から「お金にならない」と言われ、美術学校に行くことを思いとどまった。そこでビクトリア大学に進学し、学士号を取得して公務員になった。
1980年代(景気の動向)、他の多くの人々と同様、彼も解雇された。
その時、彼はこう語った。
「芸術が私を救ってくれました。芸術は私に目指すべきものを与えてくれました。経済全体が変化していました。今振り返ると、それは素晴らしい機会でしたが、当時は困惑していました。」 -Robert Rapson

父親のパン作りの提案から

父親は息子の不安に気づき、手を使っての仕事(モノづくり)をするよう励まし、パン作りを提案した。
「最初はあまり興味がなかったのですが、粘土細工を始めたら、ずっと待っていたもののようでした。」 -Robert Rapson

愛らしく不格好な作品は歴史的な船を再現している。海洋建築の堅固さを、ふわふわと溶けた何かに変えている

「仕事を通じて、うつ病とその影響について多くのことを学びました。おそらく、意識せずに、その知識の一部を仕事に活かすことができるでしょう。」-父親

ウェリントンのヴィンセント・アート・ワークショップで働き

彼はウェリントンのヴィンセント・アート・ワークショップ(Vincent Art Workshop, Wellington)で働き始めました。

あまり実用的ではない彼自身の仕事は、「国産」の船などを作ることはしなかった。
彼は客船アンジェリーナ ラウロ号のレプリカを作っている。
そのアンジェリーナ ラウロ号(オランダの客船)には
「アンジェリーナ ラウロ号のバージョンはいくつか作りました。とても見栄えのする船で、私にとって初めての一人旅だったので特別な思い入れがあります。粘土が動いているように見せたかったのです。粘土には流動性のようなものがありました。」-Robert Rapson

ラプソンは「船の男」としての評判は高まって

デイビッド・ストラウスがウェイクフィールド(Wakefield/UK)通りのエキシビション・A・フレーミングのショーウィンドウに彼の作品を展示することを申し出たことで、彼は早くから成功を手にした。
今日に至るまで、その作品はそこに残っている。
ラプソンは「船の男」としての評判は高まっていった。
「人々はショーウィンドウに展示された船を見て、特定の船を欲しがり、そこから人気が高まったのです。」-Robert Rapson

ロバート・ラプソンの作品は

愛らしく不格好な作品は、海洋建築の堅固さを、ふわふわと溶けた何かに変えている

ロバート・ラプソンはアウトサイダーアーティストとして、数多くの美術賞と、アウトサイダー・アート・フェア(NY-Paris)でも評価は高い。
ニューヨークのアウトサイダー・アート展を批評したスコット・インドリセク(Scott Indrisek/美術評論)は、同展で気に入ったアーティスト6名を取り上げ、その中にはラプソンもいた。
(註)アウトサイダーアートフェア第 27 回フェアは、ニューヨークのメトロポリタン・パビリオンで 2019.1.17-1.20 まで開催された。(アウトサイダーアートフェア:ニューヨークとパリで、隔年に開催される)

そして、ロバート・ラプソンの作品は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の元館長ロバートスター(Robert Starr)など、影響力のある今日レーターにも収集されている。

(参照)Dominion Post 他

The Art of Robert Rapson

The Art of Robert Rapson  14:35  (註)設定から日本語にできます。

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