【#00】材料力学の強化書 〜まえがき〜
#本記事は2021.12.28の記事の更新版です#
写真はとある展望台から見た東京の風景です。所々に高層ビルが立ち並びます。こうした街の発展は、高度な建築技術に裏打ちされます。そして、その土台となる学問のひとつが材料力学なのです。
これから始まる私の材料力学の講義という旅路に、とてもワクワクしています。ぜひ最後までお付き合い頂けたら幸いです。
今回はKindle出版に向けた最初の1ページです。言うなれば「まえがき」です。
この書籍はどんな人が書いたのか。ここではどんなことを扱うのか。初めて手に取る読者の皆さんは、気になることがたくさんあると思います。
今回は「まえがき」として、まずは材料力学とは何かという話からスタートすることにします。
想定している読者層
タイトルに「高校物理&高校数学で理解する」と付け加えている通り、高校生以上の年齢層を読者として考えています。厳密に言うと、高校レベルの理系方面の知識をひと通り備えている人を想定しています。
ただし、これは手計算の場面がどうしても出てくることが理由であり、定性的なことを扱う場合はイメージ先行で理解できるように誘導します。また、高校数学や高校物理の知識は道具のようなものなので、適宜振り返られるようにします。
■こんな人にオススメです(マガジンに記載有り)
・将来的に機械工学の分野を目指したい
・高校物理や高校数学の使い道に興味がある
・実際の材料力学の講義で躓いている
・材料力学を改めて基礎から学び直したい
一応は読者層を想定しているものの、そうでない方でもイメージとして掴めるように書いていきたいので、読んで面白さを感じて頂けるのであれば、ぜひ手にしてもらえたら幸いです。
材料力学とは?
材料力学という学問について簡潔に説明します。
材料力学は物体(固体)に作用する外力から引き起こされる変形について、力学的な観点から解明する学問である。物体に発生する内力を求め、材料としての最適な形状を決めるという実践的な側面をもつ。
先ほども少し触れましたが、高度な建築技術や製造技術を担保するのが材料力学の知識になります。設計という過程では、特に必要不可欠な存在です。
材料力学に関する計算の目的は、物体に外力が与えらえた時にどの程度変形するか(壊れないかどうか)を評価することにあります。この「壊れる」という表現は、目視で判断できるような破損だけでなく、永久変形(塑性変形:今後で解説します)も含まれます。
構造物が壊れないかを評価すると言うと、その重要度がイメージできると思います。構造物の破壊は様々な損失を伴うので、可能な限り避けなければいけません。それを定性的かつ定量的に評価することが、材料力学を実践的に扱うことに繋がるのです。
ちなみに、別の言い方をすると、材料力学の目的は「軽くて丈夫な構造物をつくること」でもあります。それにちなんで、読者に丈夫な知識を作り上げて頂きたいと思い、タイトルを「教科書」ではなく「強化書」にすることにしました。
著者に関するプロフィール
最後に私の自己紹介を簡単にさせてください。
千葉県を拠点に活動するエンジニアです。地元の中学校を卒業して、同県の工業高等専門学校(高専)に進学しました。専攻科過程を含めて7年間在籍しまして、その後は筑波大学(大学院)に進学します。
学生時代は材料力学を専門とした基礎研究に従事していました。物体の変形についてマクロ(巨視的)な領域からミクロ(微視的)な領域まで、様々な視点から考えてきました。この経験は今の仕事でも大いに活かされています。
学生時代の研究でよく利用していた手法として「有限要素法」と呼ばれるものがあります(大学院ではまた別の解析手法を利用していました)。有限要素法とは構造物(解析対象)を小さな要素に切り分け、荷重や固定などの境界条件を与えることで、各要素の動きを連立方程式の要領で計算するというものです。
数値計算法の一種であり、定性的かつ定量的な分析が可能です。現在はこの有限要素法を主とした数値計算ソフトウェアの技術サポートをしています。
この分野は「CAE:Computer Aided Engineering」と呼ばれていて、今の仕事の核になる技術です。
おわりに
今回は「まえがき」として、材料力学とは何かについて説明しました(私のプロフィールも一緒に書かせて頂きました)。
材料力学は大学(理系)に行かない限り、関わることのない領域です。ただ、この領域に深く関わり続けてきた私としては、社会人の今でも興味が尽きませんし、文理問わずたくさんの人たちに伝えたいのです。
まずは、マガジンに記事を書き貯めながら、Kindle出版の全体的な構想を固めたいと考えています。
本記事を手に取られた皆さんのためにも、そして何より私が楽しみながら、この壮大なチャレンジを続けていきます。何卒よろしくお願い申し上げます。
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最後まで読んでいただき、ありがとうございました。実際は非定期ですが、毎日更新する気持ちで取り組んでいます。あなたの人生の新たな1ページに添えるように頑張ります。何卒よろしくお願いいたします。
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