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『折れない心の育て方 逆風でも、前へ前へ!』「過去に囚われて、未来を失うな!」を読んで。【感想】

 月刊『PHP』2021年10月号の特集は、「折れない心の育て方 逆風でも、前へ前へ!」というものです。その特集の中に、「過去に囚われて、未来を失うな!」という大変力強い題名の記事がありました。

 筆者は、加藤諦三早稲田大学名誉教授で、ラジオで長年「テレフォン人生相談」をお続けになられています。なんと、そこにかかってくる電話の悩み相談は、半世紀もの間、本質的に変わっていないというのです。さらに筆者によれば、「人間の悩みは旧約聖書以来、ギリシャ神話の時代から現在にいたるまで、変わっていない」というから驚きです。

 では、私たちは、どうしたら良いのでしょうか?

 記事によれば、まず、「楽しいことを考えよう」というのです。「きっといいことあるさと前向き」になることが大切なのです。

 次に、過去に執着してはならないというのです。なぜなら、「何事も一生懸命やるだけのことをやったら、過去を捨てて未来に向かってはばたける」からであり、先生は「人はやるだけのことをやっていないから、今に満足していないから、過去に執着する」とご指摘なさっています。

 3つ目に、「自分の人生に責任を負う」ことについて先生は説明されています。責任というと、何か大袈裟なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、決して、そうではありません。先生によれば、「自分の意志がなくては努力しても幸せにはなれない」というのです。自分の意志がない努力は、「前向きの努力ではない」というのです。

 4つ目に、先生は「私は愛されるに値する」と信じることの大切さをお説きになっています。「『私は愛されるに値する』と自分に何度も言い聞かせれば、新しい神経回路ができる可能性はあるのだ」と先生は力強く私たちに訴えています。「私は愛されるに値する」と自分で自分に言い聞かせるだけで、新しい神経回路ができる可能性があるということに、私はとても驚きました。愛が人には欠かせないものであるということを、改めて認識いたしました。

 最後に、先生は、「過去を忘れて、前に行け!過去に囚われて未来を失うな!」と、心強いメッセージをお贈りくださっています。先生によれば、アメリカの偉大な精神医学者シーベリーは、「状況がどれほど否定的であれ、肯定的な要素は常にあるのだということがわかるよう自分を訓練しなさい」と言っていたそうです。

 どんな状況であれ、肯定的な要素は常にあるのだということが分かるように自分で自分を訓練しなくてはならないのです。他人に自分の運命をゆだねてしまったり、他人に自分の人生を預けてしまったりすることは、何が何でも避けたいものです。

 「私は愛されるに値する」と自分で自分に言い聞かせながら、そしてどんな状況においても常に肯定的な要素を探しながら、明るく、そして前向きに、人生の歩みを一歩一歩前に進めて行きたいものだと強く感じました。

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