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読書の備忘録

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ビジネス書、マーケティング、リベラルアーツ関連の読書備忘録です
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#読書メモ

経営戦略原論

経営戦略原論(琴坂 将広 著) 経営戦略論は、実務と理論にギャップが生まれがち。経営戦略論が歴史的にどのように発展してきたかを知る必要性がある。 「経営戦略の定義」「3つの階層」 ・全社戦略(コーポレートストラテジー) ・事業戦略(ビジネスストラテジー) ・機能戦略(ファンクショナルストラテジー) 組織、目標、道筋の要素を骨格として、何らかのゴールに辿り着くためもの。一般的に「外部環境」と「内部環境」の2軸から考えるものが共通している ミンツバーグの戦略の5P Pl

価格決定戦略

利益を最大化する「価格決定戦略」(上田 隆穂 著) 1. 高価格帯の商品を買う心理としてのブランド価値構造 (例:シャンプー) 1 自己表現価値(例:身だしなみ) 2 情緒的価値(例:使用後の爽快感) 3 機能的価値(例:かゆみ防止) 4 基本価値(例:洗髪) サービスドミナントロジック 経済活動のすべてをサービスと考えて、企業は顧客と一緒になって価値を作っていくという価値共創の視点でマーケティングを実施する考え方。(従来は、商品の価値が価格を決め、顧客はその対価を

イノベーションの競争戦略

「イノベーションの競争戦略」優れたイノベーターは0→1か? 横取りか? (内田 和成 著) セグウェイは失敗例 画期的な発明(インベンション)であったが、コストや利用シーンが合わなかった。イノベーションにはならなかった。Google glassも社会プライバシーに適用できなかった。 Zoomの成功例 同様のサービスは多数あった。しかし、社会の行動変容、仕事のあり方を変えた。社会の変化や映像の圧縮技術によるオンラインの多人数の参加を可能にした。 イノベーションの本質は行動

イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学

イノベーターのためのサイエンスとテクノロジーの経営学(牧 兼充 著) 論文をもとに、統計的手法(因果推論)を用いてイノベーションを起こす法則を解き明かす ・アントレプレナーとは リーダーシップをもち、曖昧さやリスクを許容でき、イノベーションを生み出し事業を起こすことができる人。新しい価値を生み出し、雇用を生み出す。 ・イノベーションとは 発明は新しい技術や価値を生み出すもの。イノベーションは新しい価値を生み出して実用化すること。社会的な価値を生み出すもの。イノベーション

THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. 領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計

THIS IS SERVICE DESIGN THINKING. Basics - Tools - Casesー領域横断的アプローチによるビジネスモデルの設計(スティックドーン、ヤコブ・シュナイダー 著) 1. サービスデザインとは 学際的なアプローチとしてのサービスデザイン サービスデザイン思考の5原則 マーケティングの発展 人々と繋がり価値を創出しようとするマーケティング分野にサービスデザインは重要な役割を果たす。現在のサービスデザインの軸は、人と人、人と物、

両利きの組織をつくる~大企業病を打破する攻めと守りの経営~

「両利きの組織をつくる」大企業病を打破する攻めと守りの経営 (加藤雅則、チャールズ・A・オライリー、ウリケ・シェーデ 著) 守る経営をしながら、攻める経営とは 両利きの経営は、既存事業を深堀りしながら、新規事業を探索する。この相反する能力を同時に追求することは対立が発生しバランスをとる難易度が高い。オライリーは両利きの経営を戦略論よりは組織進化論と捉えている。キーポイントは組織カルチャーにあり、それは社風や組織価値観のようなあいまいなものではなく、具体的な仕事のやり方や

たった一人の分析から事業は成長する「実践 顧客起点マーケティング」

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング (西口 一希 著) 1. 顧客起点マーケティング 1人の顧客を理解すること、ブランドとの出会いから利用まで、深層心理を理解することでビジネスを成長させるアイデアが見える。1人のロイヤル顧客がなぜロイヤル化したのかを理解して、ロイヤル化していない顧客へ生かしていく。 ・顧客起点マーケティング 顧客増加や売上向上のアイデアは社内のブレストではなく、1人の顧客の心理の深堀りが有効な方法となる。 ・サービスや商

コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略

「コトラーのマーケティング5.0」デジタル・テクノロジー時代の革新戦略 (フィリップ・コトラー, ヘルマワン・カルタジャヤ, イワン・セティアワン 著) はじめに ■ マーケティング5.0の5つの構成要素 1 データドリブン(データに基づいた)マーケティング 2 予測マーケティング 3 コンテクスチュアル(文脈にあった)マーケティング 4 拡張(人間の能力を拡張する)マーケティング 5 アジャイル(俊敏な)マーケティング ■ 世代間ギャップ どの世代も異なる文化的

Thinking, Fast and Slow(ファスト&スロー)上

Thinking, Fast and Slow ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ダニエル・カーネマン 著) あなたの意志はどのように決まるか 利用可能性ヒューリスティック:直感的思い出しやすさ。 システム1:早い思考(直感的な判断) システム2:遅い思考(熟考) 注意力 注意は限度額が決まった予算のようなもの。 同時にこなすことは限度がある。努力せずに行えるものに限られる。 システム1とシステム2の相互作用 ・システム1から送られてきた

Thinking, Fast and Slow(ファスト&スロー)下

Thinking, Fast and Slow ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ダニエル・カーネマン 著) エキスパートの直感 直感はどのように蓄積されるのか。 ・恐怖や危険な体験や言葉は学習される。 ・連想マシンは疑いを押さえつけるようになっている ・根拠のない直感に自信過剰になりがち 直感スキルの習得(例:チェスプレイヤーなど) ・規則的な環境であること ・規則的な環境で学ぶことができること ・システム2の前にシステム1が学習して判断可

旅行者行動の心理学

旅行者行動の心理学(佐々木 土師二 著)(関西大学出版部 2000年) ツーリズムは人間行動であり複合科学的な側面 用語 ・トラベラー(Traveler): 上位概念、一般旅行者 ・ツーリスト(Tourist): 下位概念、観光旅行者 旅行者行動の心理学的側面 旅行者モチベーションの分類 目的地の魅力的側面 旅行モチベーション構造の分析 ・因子分析による旅行ライフスタイルの6因子 1:文化的関心 2:快適性(リラックス) 3:親しみ(利便性、同じ言葉) 4:活

ジョブ理論

「ジョブ理論」 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム (クレイトン・M・クリステンセン 著) ジョブ理論の概要 企業が蓄積しているデータは「顧客が高い確率で商品Aを好む」などの形で示されるが「顧客がなぜその選択をするのか」は教えてくれない。アイスの売上と森林火災は夏に増加するので相関関係はあるが、因果関係はない。 ・ジョブの定義:ある特定の状況で人が遂げようとする進捗。重要なことはなぜその行動をしたのかを理解すること。 ・ジョブでないもの:ニーズとは異なる

究極のBtoBマーケティング ABM

究極のBtoBマーケティング ABM(アカウントベースドマーケティング) 庭山一郎 (著) 背景 日本は戦後、1ドル360円固定という米国の支援もあり、海外取引でも成長することができた。良い商品を作ることで、マーケティングの機能を持たずに成長したが今後はマーケティングなしで先進国と戦えない。(米国では2014年からABMの話題が増えた) ABM(アカウントベースドマーケティング) ABMの特徴 ・ABMは従来のデマンドジェネレーションの進化系 ・特定の企業アカウントに

BtoBマーケティング偏差値UP

BtoBマーケティング偏差値UP (庭山一郎 著) 背景・2000年頃、米国でマーケティングシステムが普及 ・2014年、MAベンダー各社が日本に進出(Eloqua, Marketo, Silverpop, Hubspot, Pardotなど) ・現在、ツールは導入が進んでいるがメール配信システムになってたり機能していないケースが多い 現状・展示会:ブースの豪華さとリード収集に相関はない ・メルマガ:ナーチャリングでメルマガは必要だが顧客ニーズに配慮 ・インサイドセールス