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たった一人の分析から事業は成長する「実践 顧客起点マーケティング」

たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング
(西口 一希 著)


1. 顧客起点マーケティング

1人の顧客を理解すること、ブランドとの出会いから利用まで、深層心理を理解することでビジネスを成長させるアイデアが見える。1人のロイヤル顧客がなぜロイヤル化したのかを理解して、ロイヤル化していない顧客へ生かしていく。

課題:顧客を把握せずにマーケティングしていることが課題。顧客が何を考え、何を感じ、何を求めているのかを把握するのは基本。メディアの多様化などにより一人一人のアプローチも困難に。

・顧客起点マーケティング
顧客増加や売上向上のアイデアは社内のブレストではなく、1人の顧客の心理の深堀りが有効な方法となる。

・サービスや商品の価値提案アイデア
独自性(他にはない特徴、差別化)と便益(顧客にとって買う理由)を兼ね備えたものがアイデアとなる。

1 プロダクトアイデア(商品サービス自体)
2 コミュニケーションアイデア(商品を認知してもらう手法)

商品サービス自体に便益がなければ、コミュニケーションアイデアだけでは継続的な拡大は困難。広告が商品の便益に紐付かないと購買に結びつかない。早期の認知がブランド形成に重要。

・N1を起点するマーケティング
顧客起点とは一人一人を見ること。1人の価値観、普段何をしているか、購買行動にはきっかけがあり、行動だけでは見えない。根本的な理由は顧客も理解していないが、心理的に便益を理解している。
行動データ(CRMやアクセス解析)と心理データ(アンケートや聞き込み)の両方が必要。

2. 顧客ピラミッド 

そのブランドを知っているか、どの程度の頻度で買うか、などのアンケート調査で作成する。人口統計から各セグメントの人数の予測も可能。投資対効果もセグメントごとに考えることが可能。

顧客ピラミッド 5セグメント
1: ロイヤル顧客(認知あり&購買頻度高い)
2:一般顧客(認知あり&購買頻度中-低い)
3:離反顧客(認知あり&購買経験ありで現在は未購買)
4:認知/未購買顧客(認知あり&購買経験なし)
5:未認知顧客(認知なし)

セグメントには時間軸があることを忘れない。現在、ロイヤル顧客であったとしても時間と共に離脱する可能性がある。購買顧客(上位2つのセグメント)から売上が上がっているが、マーケティング施策を上位に絞りすぎると将来的に拡大が困難。

5つの戦略
1 ロイヤル顧客のスーパーロイヤル化
2 一般顧客のロイヤル化
3 離反顧客の復帰
4 認知、未購入顧客の顧客化
5 未認知顧客の顧客化

・N1起点のカスタマージャーニー
いつどのようなきっかけで知ったのか、買ったのか、ロイヤル化したのか。セグメント定義にあった人を探すこと、顧客に聞く、販売スタッフに聞く、知人に聞く、調査会社を利用するなど。
使い続ける理由とトライアルの理由も異なることが多い。実在しないペルソナや平均的なカスタマージャーニーは無効。

・競合分析
5つの顧客ピラミッドを自社と競合をオーバーラップさせる。両者に共に離脱しているような場合、既存のカテゴリ外の脅威に気づくことがある。

3. 次回購入意向を加えた9セグメント分析

自社ブランドだけを買い続ける方が特殊であり、他社ブランドと行き来している。ピラミッドの5つのセグメントに次回購入意向でさらに分解して9セグメントで見る。

応用としての9セグメント
a ロイヤル顧客(1 積極|2消極)
b 一般顧客(3 積極|4 消極)
c 離反顧客(5 積極|6 消極)
d 認知未購買客(7 積極|8 消極)
e 未認知顧客(9)

次も購買したいブランドはどれか、などの調査。次回の購買意向を聞くことで9セグメントを分類。ブランド選好度。
セグメントごとに獲得コストは変わる。認知とブランド選好によって獲得コストが影響される。

顧客起点マーケティングのステップ
1 顧客ピラミッドの作成(顧客を5つまたは9つのセグメントに分解)
2 セグメント分析(行動データや心理調査から顧客の特性を分解)
3 N1分析(セグメントごとの1人を深堀り)
4 アイデア創出
5 アイデア検証(アイデアをコンセプトへ転換)

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