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新海誠『すずめの戸締まり』誰もが東日本大震災から逃れられない

私の評価【★★★★☆】

今日は金曜。
最近の金曜ロードショーはアニメが多いですね。

名探偵コナン、ディズニーのシンデレラ、今日はジブリで猫の恩返し。
猫の恩返しは何度も観たけど、録画して観ます。

他には新海誠監督の「すずめの戸締まり」も2024年4月5日金曜ロードショーで放送。
地上波初登場との触れ込みでした。

4月5日放送でしたが、「すずめの戸締まり」を完全に観終わったのは4月末でした。

ちょこちょこ分割して観ました

分割して観たというよりも「分割しないと観れなかった」という方が正しいです。

金曜ロードショーでは「すずめの戸締まり」の冒頭で次のような注意喚起が表示されます。

作中、地震描写および地震の警報音が流れる場面があります

震災を扱っている以上、ほとんどの日本人にとって精神的にキツイ面が出てきます

2011年の東日本大震災を経験してれいれば「ノーストレスですずめの戸締まりを観ることができた」人はほとんどいないと思います。

念のために書いておきます。

「すずめの戸締まり」で震災を扱っていることを批判している訳でもありません。
そして震災の描き方を批判しているわけでもありません。

私の「すずめの戸締まり」への評価は5点満点で4点。
【★★★★☆】
高評価です。

高評価でもちょこちょこ区切らないと観ることができなかった。

私は東日本大震災の被災者ではありません。
それでもきつかったということ。

つまり

東日本大震災を知っている世代にとって「東日本大震災後は変わってしまった」

のです。

東日本大震災を知っている世代は東日本大震災から逃れられないんだ」ということを「すずめの戸締まり」を観て再認識「させられた」ということです。

今回のnote記事東日本大震災「後」のことを書いていきます。
よって「すずめの戸締まり」のネタバレなしです。

では、本題に入っていきます。


・1995年 阪神・淡路大震災

私は1979年生まれです。

埼玉在住、高校生の時阪神・淡路大震災が起こりました。

高校生の私は「もうこれ以上の大震災を日本で見ることはないだろう」とこころのどこかで思っていました。

阪神・淡路大震災は「安全神話の崩壊」として騒がれました。

しかしどこか他人事たにんごとのような雰囲気があったように思います。

埼玉県立春日部高校に通ってました。
クレヨンしんちゃんで有名な埼玉県春日部市です。

のほほんとしたもので「もし大きな地震が来たらこの校舎は潰れてペシャンコだね」と教師も生徒も言っていました。

当時、春日部高校の校舎はものすごく古かったのです。
クソ汚い男子校に通っていました。

Wikipediaによると1955年に校舎が作られたそうです。

そんな校舎を1995年になっても、40年後も使っていました

1995年に阪神・淡路大震災が起きました。

阪神・淡路大震災が起きてもその古い校舎で授業が続けられました

今だったら絶対に考えられないことです。
危険極まりない。

でも私が卒業するまでその校舎は使われ続けました。

いや、卒業した後もその古い校舎は使われ続けました。
Wikipediaによると新しい校舎ができたのは1999年。

この新校舎が立派だったので埼玉県立春日部高校の偏差値は爆上がりします。

ただし2024年、わが母校・埼玉県立春日部高校は変革を迫られています。

「埼玉の県立男子校・女子校は共学にしろ!」と騒動になっています。

ほんとうに共学になるのかは確定してません。

・2011年 東日本大震災

2011年私は国家公務員として東京都内に勤務していました。
職場は出先機関(現場)なので霞が関かすみがせきではありません。

合同庁舎だったのでわが役所だけではなくいろいろな組織が入っていたビル。
そのビルの1階で仕事をしていました。

忘れもしない2011年3月11日金曜日。

東京でもかなり揺れました。

「キャー!!!」と言って逃げていく女性(職員ではない)もいました。

しかし「外に出る方が危ないじゃないか?」と瞬時に判断。

窓が割れて上から降り注いで来たら?
連続して大きな地震が来たら車が歩道に突っ込んでくるのでは?

だから頑丈なビルの1階にとどまり続けることにしました。

合同庁舎にある大型テレビはNHKが流されています。

今でも覚えていますが東日本大震災が起きて、NHKで最初に放送され続けていたのは川が逆流しているこの映像でした。

この映像しか被災地の映像が入ってこない状況がしばらく続きました。
しかしこの映像を見るだけで「けた違いのひどさだ」「阪神・淡路大震災を超えるひどさだ」とわかりました。

「阪神・淡路大震災を超える大震災を日本で見ることはないだろう」という1995年の予想は見事に外れました。

首都圏では電車などの公共交通機関がマヒ。

私は東京から埼玉県に帰ることができず、職場に泊まりました。
もちろん横になる場所なんてありません。

机にうつぶせになり、ちょっとだけ寝ました。

翌日が土曜日でした。
電車は途中まで動いているのが分かりました。

電車で一か八か行けるところまで行くことにしました。
東京から埼玉までは電車で行けましたが、自宅がある市までは電車ではいけませんでした。

埼玉県内を歩いて市をまたぎ、なんとか家まで歩いて帰宅しました。

・だれもがアフター東日本大震災になった

被災者に比べれば私は幸せ者です。

そんな幸せ者の私ですら東日本大震災は心理的に重くのしかかり続けます

首都圏に住んでいたので被災者ではなくても「東日本大震災が起こってからあまり外に出れなくなってしまった」というかたも当時はいました。

きずなや復興と言っても「本当に復興はうまく行くのか?」と多くの国民は心の中で思ったでしょう。
口には出さなくても。

そもそも少子高齢化が進んでいる日本。
被災した地域でインフラを復旧してもうまく行くのか?

たとえば震災前はお店を経営していた。
インフラが復旧したからと元の場所にお店を作り直しても商売になるのか?

避難した人たちはどれくらい戻ってくるのか?
お店を再建してもお客さんが来なくて商売にならなかったら借金だけが残る。

大震災を生き延びたとしても、復興すると言っても・・・

論理的に考えなくても、直感的に心のどこかでそう思っている自分がいる。

東日本大震災の前には考えもしなかったことを考えてしまう

自分が住んでいるところが震災などの大災害にあう可能性があるのだから

東日本大震災を知っている世代は誰でも東日本大震災の前には考えもしなかったことを考えてしまう

東日本大震災を知っている世代は誰でも「アフター東日本大震災」を生きている

だから新海誠監督は自分の作品で大震災を描いているように見えます。

そして2024年のお正月には石川県で大きな地震が起こりました。
能登半島地震と名付けられた地震でも同じことが繰り返されている。

被災者のみなさんは今後どうすればいいのか?
単に「復興に向けて頑張ろう」でいいのか?

理不尽な選択を迫られてしまうわけです。

・政治もアフター東日本大震災になった

2009年、衆議院選挙は大きく動きました。

野党民主党がバカ勝ち。
自民党はボロ負け。

政権交代が起こりました。

これで「政権交代が可能な2大政党制」が定着するかと思いました。
しかし民主党政権は迷走を続けます。

鳩山由紀夫内閣が迷走の末に倒れ、総理は菅直人かんなおとに代わりました。

菅直人政権の時に東日本大震災が起こります。

菅直人総理の東日本大震災の対応が良かったの悪かったのかはここでは言いません。

大切なことは

大多数の国民にとって菅直人政権の東日本大震災対応はすさまじくひどく見えて、大多数の国民の記憶にずっと残り続けた

ことです。

松本龍まつもとりゅう復興大臣は被災地に行って暴言を連発。
復興のやり方が正しい・間違っているを論じるレベルにすら達してませんでした。

これが民主党が言いまくっていた「政治主導」ですか?
こんな政治に主導されるのは困るだろうと。

「菅直人総理が被災地に行って嫌われている映像」がマスコミで流されます。
大多数の国民も「そりゃ、怒るだろうな」という感じでした。

鳩山由紀夫総理よりもひどく、そして総理を辞める時の往生際おうじょうぎわすらものすごく悪かったこの総理大臣は民主党のイメージを地の底まで叩き落していきました

政敵にまで菅直人はコケにされています。
「野田元総理の方がまだ断然マシ」という意味でしょうね。

2009年、衆院選で自民党・公明党が与党に復帰
そして現在に至ります。

「自民党が強く、野党がバラバラで弱い」という政治状況、これもアフター東日本大震災と言えます。

・憲法改正(緊急事態条項)

憲法改正、特に緊急事態条項が話題になった大きな理由も東日本大震災です。

東日本大震災レベルの大災害が起こった場合「政治・行政は通常通りで良いのか?」という話です。

「首都圏直下型で大震災が起こる可能性もあるじゃないか」と。

緊急事態条項は新型コロナウィルスも大きいですね。
日本国憲法ではじめてのパンデミックでしたから。

憲法改正(緊急事態条項)は「アフター東日本大震災+アフターコロナ」と言った感じです。

話がだいぶ逸れてしまったようにも見えます。
政治はあくまで1つの例です。

政治だけでなく「東日本大震災から逃れられない」というのがいろいろなことであるのだと思います。

note記事は以上です。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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