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東京フォトジェニック

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東京ってなんだ。それは様々な時代がカオスする場所。それはミクロでもマクロでも楽しめる、日本最大のアミューズメントパーク。知れば知るほどへんてこな街の、へんてこフォトジェニックへよ…
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#新宿

メタボリズムの時代(静岡新聞・静岡放送東京支社ビル)【東京フォトジェニック】

メタボリズムの時代(静岡新聞・静岡放送東京支社ビル)【東京フォトジェニック】



静岡新聞・静岡放送東京支社ビル
竣工:1967年10月
設計:丹下健三

新橋駅銀座口を降りて左手、東京方面へ向かう山手線が緩やかなカーブに差し掛かるあたり。
まるで幹と枝、大樹を連想させる構造体がある。

オフィス街の無機質なビルヂングの中で一際目立つこの建物は、かつての日本人が夢見た来るべき建築の遺産であった。

メタボリズム。

名の通り、膨張する建築。
1960年代の初期、戦後日本は高

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脈を打つ地下空間(東京メトロ 四谷三丁目駅)【東京フォトジェニック】

脈を打つ地下空間(東京メトロ 四谷三丁目駅)【東京フォトジェニック】



東京メトロ 四谷三丁目駅
開業 1959年3月15日

大友克洋の"AKIRA"で印象深いシーンがある。
ネオ東京の地下深くに冷凍されているアキラが復活する瞬間だ。
あの、アキラの封印されているドームは配管が血管のように張り巡らされている。
さながら臓器のようだ。

東京の地下鉄は使用できる地下の体積が狭いために、よく配管が天井に溢れている。
この光景に出会う度、僕はAKIRAのあのシーンを重

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新宿サクラダファミリア(新宿 東京都庁第一本庁舎)【東京フォトジェニック】

新宿サクラダファミリア(新宿 東京都庁第一本庁舎)【東京フォトジェニック】



東京都庁 第一本庁舎
竣工 1991年

東京都庁は工事現場界隈では「サクラダファミリア」と呼ばれるらしい。
その複雑な構造から、半永久的に補修が続けられている未完成の構造物なのだ。

数年前に出逢った工事担当者はこう呟いていた。
「シンプルなデザインにすれば良かったものを、毎年修繕費が嵩んで仕方ないらしい。まあ、俺らにとっちゃ有難いんだけれども」

1991年の竣工から間もなく30年を迎える

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