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【読んだ本10】甦る殺人者ー天久鷹央の事件カルテー知念実希人

読んだ感想

空いた時間に一気に読んでしまいました。相変わらずはまっております。登場するキャラクターは魅力的であり、鷹央と小鳥の関係性が長く付き合っていく中で徐々に変化しているのも読み進めたくなる作品です。

今回のトリックは以前に聞いたことがあったので、途中から少しずつ予測できてその通りに進んでいった。ただ、医療ミステリーは純粋に面白い。

家族との歪んだ過去が元になって、出来上がってしまった「怪物」だったのかなと思った。アダルトチルドレンの考え方が当てはまる部分もあるような気がして、特殊なDNAの持ち主ではあるが、家族との関係によって後天的に作られた「怪物」なのかなと感じた。父の恐怖と母の歪んだ愛情、受け入れられない気持ちによって、結果的に兄弟ともに悪い方向へ進んでしまったのかな。

今回は、余裕のない鷹央の様子が見られるのが意外だったし、感情をストレートに出してしまう鷹央だからこそ、より焦っている様子がはっきりと感じ取れたので、感情移入してしまった。

先入観や思い込みということの怖さを感じた作品でした。過去のことではあるが、正しい知識とそれを認める気持ちがないと変な解釈をして人を傷つけることもあり得るというのが小説の中とはいえ胸が苦しくなった。

地味に毎回出てくるスイーツの何気ない描写が読んでいる時間帯によって飯テロになるのでご注意ください。

ここまでお読みいただきましてありがとうございました。他のシリーズも読書メモとして紹介を書いてますので、ご興味があればお読みください。


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