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読書感想文集

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徒然なるままに書く読書感想文。基本的にネタバレは無しで、ネタバレする時は事前に予告します。
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2023年3月の記事一覧

読書感想文(260)恩田陸『黄昏の百合の骨』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は理瀬シリーズの長編です。
あらすじなどは全く把握せずに読みました。
尚、理瀬シリーズと関わる短編である「睡蓮」と「水晶の夜、翡翠の朝」は、この本より公開が早かったので、別の本で先に読みました。
感想文は本毎に投稿しているので、それらが収録されている短編集の文庫本を読み終え次第、投稿する予定です。

感想面白かったです

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読書感想文(259)恩田陸『黒と茶の幻想(下)』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。
今回は前回読んだ『黒と茶の幻想』の下巻です。

↓前回(上巻)の感想文

感想面白かったです。
しかし、やっぱりよくわからないといえばわかりません笑。
『黒と茶の幻想』は全部で四部構成、それぞれが登場人物四人それぞれの視点で描かれます。
上巻を読んでいる時、恐らく最後が節子になるんじゃないか、と思いました。
というのも、節子

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読書感想文(258)恩田陸『黒と茶の幻想(上)』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は同じ著者の『三月は深き紅の淵を』(以下、『三月』(甲)とする)に登場する小説『三月は深き紅の淵を』(以下、『三月』(乙)とする)の第一章と同じタイトルを持ち、『三月』(甲)の第四章「回転木馬」と共通する内容がある同じ著者の『麦の海に沈む果実』に登場する梶原憂理に関連するお話です。
とはいえ、この本で中心となるのは別の

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読書感想文(257)恩田陸『麦の海に沈む果実』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は理瀬シリーズの第一巻というべきか、第二巻というべきか、の再読です。
『三月は深き紅の淵を』の続きといって良いのかわかりませんが、麦の海の方が切りのいいスタートのような気はします。

尚、前回の感想文を読み直してみたところ、やはりもう一度読み返してそれぞれの人物像を捉え直したいと考えているようでした。今回は大まかなオチ

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読書感想文(256)恩田陸『三月は深き紅の淵を』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は、昨年読んた中で一番印象に残っていた本の再読です。
以前読んだ時も感想文を書いているので、載せておきます。こちらを読み返してみると、当初かなり困惑していたことが窺えて、ちょっと面白かったです。

感想今回は、少し身構えて読み始めたので、前回ほど混乱することはありませんでした。しかし、やはりこの小説を理解できた気はしま

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読書感想文(255)宇佐見りん『推し、燃ゆ』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は第164回芥川賞受賞作です。
芥川賞は気になりつつもほとんど読めていないのですが、ひょんなことから本をもらえたので読むことができました。

感想文体は若干読みにくく感じましたが、短いのでサラッと読み終えました。
正直、少しモヤモヤが残っている部分もあるので、書きながら頭を整理していきたいと思います。

近年、「推し」

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読書感想文(254)逢坂冬馬『同志少女よ、敵を撃て』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は昨年の本屋大賞作品を読みました。
以前からも気になっていた作品ですが、ようやく手に取ることができました。

本題とは少しズレますが、ロシアのウクライナ侵攻が始まってからまる一年が経ちました。
第二次世界大戦時とは情報のあり方が大きく異なることもあり、何を信じていいのかわからないような現代ですが、侵攻は未だ終わっていな

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読書感想文(253)カルロ・ロヴェッリ『すごい物理学入門』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は勉強っぽい本です。
昨日本屋で見かけて面白そうだったので買ってしまったのですが、読みやすかったので一気に読み終えてしまいました。

最先端の物理学のお話が平易な言葉でわかりやすく解説されていて、全部で7つのお話があります。

感想わからないなりにちょっとわかるのが面白かったです。
読み終えてまず思ったのは、相対性理論

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読書感想文(252)青山美智子『赤と青とエスキース』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は昨年度の本屋大賞2位の作品です。
青山美智子さんの作品は『月の立つ林で』『木曜日にはココアを』を読んだことがあります。

感想とても良かったです。
納得の本屋大賞2位というか、これでも2位だったのか……と思いました。
まあ去年はちょうど海外で戦争が起きたことも、『同志少女よ、敵を撃て』の票を増やした可能性もあります。

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読書感想文(251)夕木春央『方舟』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は本屋大賞ノミネート作品、10作品目です。
ついに全てのノミネート作品を読むことができました。自分史上初めてです。

本屋大賞についての自分なりの考えはそのうち投稿するとして、今回は方舟の感想を書きたいと思います。

感想とても面白かったです。
本屋大賞ノミネート作品の中で、個人的にはこれが一番好みでした。

内容も面

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読書感想文(250)安壇美緒『ラブカは静かに弓を持つ』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は本屋大賞ノミネート作品、9作品目です。
音楽×スパイという、なかなか珍しいジャンルです。

感想面白かったです。
音楽の著作権という、私でも聞いたことがある著作権の問題を取り上げています。
私自身、この問題について詳しくはないのですが、率直な自分の意見を言うなら、音楽教室における著作権料徴収には反対です。これは違法か

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読書感想文(249)二宮敦人『世にも美しき数学者たちの日常』

はじめに今回は久々に数学関係の本を読みました。作家の著者が、数学者や数学教育者にインタビューしたものをまとめたような本です。
昨年、数学関係の本を読むことを目標にしていましたが、結局ほとんど読まなかったので、今年は目標リストに入れませんでした。
目標から外した途端に読みたくなるのは、義務感が生じるとやりたくなるからかもしれません。

感想とても面白かったです。
今回は図書館で借りて読んだのですが、

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読書感想文(248)呉勝浩『爆弾』

はじめにこんにちは、笛の人です。
読んでくださってありがとうございます。

今回は本屋大賞ノミネート作品、これで8冊目です。
尚、あからさまなネタバレはしませんが、今回はミステリー小説なので、少しの情報でも気になるという人はお気をつけ下さい。

感想面白かったですが、正直に言えばちょっと長かったなぁとも思いました。
トリックなどはとても面白かったです。
タゴサクの話が長い上に興味が持てなくて、序盤

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