#掌編
ショートショート「王」
日曜日。
目覚めると彼は王だった。
ゆっくりと城の庭を散策する。
月曜日。
目覚めると彼は衛士だった。
一日中、油断なく城門を見張る。
火曜日。
目覚めると彼は掃除夫だった。
広い城内、とても一人で掃除できるものではない。
今週は東の回廊を中心に清掃する事とした。
水曜日。
目覚めると彼は料理人だった。
一週間分のパンを焼く。肉や野菜も少し調理する。
その夜、彼は夢を見た。
彼がまだ幼い
ショートショート「古(いにしえ)の賢者」
近々、世界大戦が起きるという噂を聞いた私はシェルターをつくりコールドスリープマシンで眠りについた。
ところが、マシンの故障で私は数十年の眠りのつもりが二千年後の世界に目覚めてしまった。
どうも世界大戦の影響で世界人口は激減、文明もかなり後退しているようだ。
私はこの世界の見聞を広めるため、旅に出た。
巨大な廃墟のある村に来たときである。
その村の巫女だという美しい女性に呼び止められた。
「もしや