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間抜けでよかった、かもしれません
「コーンポタージュのコーンを最後まで飲む方法、ご存知ですか」
言い終わる前に、なんとも間抜けな話題を選んでしまったと後悔した。
「これ、回しながら飲むと良い感じなんですよ」
「それ、本当に上手く行きます?」
試したことがある人の言い方だった。
「少なくとも打率は上がります」
「やっぱりそのレベルですよね」
「よく飲むんですか、コーンポタージュ」
「ええ、プチ家出の時に」
「プチ家出」
人
Cause lovin' you
1ヶ月に数回、物凄く喉の調子が良い時が無いだろうか。
例えるならその100倍くらい、もっとかな、その日はそのくらい、声が上手く出るような気がした。
「〜♪〜〜♪」
ハミングで喉の調子を整え、何を歌ってみようかと、頭の中で色々な曲をシュミレートする。覚えたてのJPOP、今度歌う合唱曲、流行りのバラード。
迷った末に私は、かなり古めのラブソングを口ずさんだ。私が産まれる前に大ヒットした曲。パパが車
マチルダの自己紹介的なss
(……あれ、これって)
あくびあくびの4限が終わって、ようやくのお昼休み。パンでも買いに行こうと席を立つと、教室の隅にハンカチが落ちていた。「I」のイニシャル刺繍が入った、レースのハンカチ。このクラスでアイから始まる名前の人は、アイリスさんだけだ。拾い上げてぱんぱんと軽く埃を落とすと、香水の甘い香りがした。
(届けてあげなきゃ!)
アイリスさんは、今時珍しいくらいの「正統派お嬢様」って
月城くんと綺凛の絡み妄想 おまけ
「あれ、ふたつ?」
アイスキャンディをカゴに入れた後にレアチーズケーキを手に取った私に、彼はそう問いかけた。
「…だめ?」
「いや、全然大丈夫だよ。でも、口の中あまあまになっちゃうかなって」
「いいの」
こっちは私用じゃないし。なんて言うのも面倒だったから適当に返事をした。
そういう彼が手に持っていたのは、アイスキャンディとバタービスケットサンド。存外甘党なんだなと思いながら、レジへと
月城くんと綺凛の絡み妄想
「おーい、ビール」
甘酢炒めを配膳した直後、叔父たちは真っ赤な顔で呼び止めた。
私、ビールじゃないんだけど。そんな子供っぽいことを思いながら、「はあい」と返事をしてキッチンに向かった。
「……あれ」
「あ!キリンちゃん、ビールもう無いのよォ」
「あ……そうですか」
ちらりと振り返って声をかけてくれた彼女は、重そうにとろろをかき混ぜている。米のこびりついた寿司桶を洗っていたり、玉ねぎを飴
親戚の家でのあれこれ
「キリンちゃん!大きくなって〜」
「おたくまた昇級したんですって?」
「あ、うちの息子もね……」
「あら!それって……」
着いてすぐに開催される、おばさんマシンガントークからのマウント合戦。
「キリンちゃん、またお姉さんになったんじゃない?カレシでも出来たか〜?」
「だめだよ、変な人に捕まったら!おじちゃんたち許さないからね?」
「だめだめ、俺たちがそんなこと言ったら!行き遅れちゃったらどう
紡さんとの絡み的な何か
「邪魔するぞ!!」
ガラッと勢い良く扉を開けて医務室に入ってきたのは、言葉中将。片足で器用にトントンと部屋に入り、可愛い顔と体躯に似合わずドカリとベッドに座った。
「彼」は担いできた義足を突き出し、偉そうにふんぞり返る。
「……どーも、どしたんですか」
「何もしてないのに壊れた!」
「パソコン壊したおじいさんと同じ言い訳」
溜息をつきながら義足を受け取る。
彼曰く「何もしていないのに壊
うちの子軍人ったー設定
水森 妃凛 (みなもり きりん)
衛生隊長 19歳
一人称:私
二人称:あんた
「自分に自信なきゃ、ツインテなんてしないっつーの」
「はいはい、取り敢えず座って」
「調べれば書いてあることをわざわざ覚える必要あります?それなら電子辞書でも雇ったら?」
容姿端麗、成績優秀、料理や掃除洗濯その他何でもテキパキとこなす。
言動的にナルシシストに思われがちだが、謙遜なく事実を述べているだけに過ぎな