紡さんとの絡み的な何か

「邪魔するぞ!!」

 ガラッと勢い良く扉を開けて医務室に入ってきたのは、言葉中将。片足で器用にトントンと部屋に入り、可愛い顔と体躯に似合わずドカリとベッドに座った。
「彼」は担いできた義足を突き出し、偉そうにふんぞり返る。

「……どーも、どしたんですか」
「何もしてないのに壊れた!」
「パソコン壊したおじいさんと同じ言い訳」

 溜息をつきながら義足を受け取る。
 彼曰く「何もしていないのに壊れた」らしいが、あちこちに改造した跡がある。

「どーこーが"何もしてない"んですか、めちゃくちゃ魔改造してるじゃないですか」
「ん?壊れるような事は何一つしてないぞ!」
「現に壊れてるじゃん!アンタ勝手にモーターとか付けたでしょ?」
「すごいだろう、飛ぶんだ   …上手くいけば」
「ったく、余計なことしないでください」

 先ず関節の部分の螺子を外す。勝手に改造するのは今回に始まったことでは無いが、今回のは特に凝っている。一つ一つを見ると面白く画期的な改造だが、組み合わせて動かなければ意味が無い。

「ほい、 微調整したいから一旦嵌めてみて」
「うむ」

「……そうだな、あと2ミリ低くしてくれ」
「はあい」

 調整してやると、彼は満足そうに頷いた。

「そう言えば、この前の休みに久しぶりにアニメを観たんだ。お前も興味があると思うぞ、未来から来たロボットが主人公でな。何と常に地面から浮いているんだ」
「無理です」
「そうか…」

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