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#ネタバレ 映画「戦場のピアニスト」

「戦場のピアニスト」
2002年作品
前売り券
2003/11/9 9:03 by 未登録ユーザ さくらんぼ(修正あり)

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

本屋さんへ行って映画「キル・ビル」特集の本を少し立ち読みした。そうしたらタランティーノ監督は、日本人から日本の昔風映画の特製ポスター(「キル・ビル」の物)をプレゼントされて大喜びだったとの記事があった。

そう言えば、あの当時のポスターは独特の魅力があった。今ならレトロな雰囲気も加わり、「キル・ビル」ファンでなくても見つめてしまうだろう。

当時のポスターには、飛行機かヘリコプターを描けば、それだけで入場者が増えたと聞いた事がある。その定石どおりなのだろうか、今回の特製「キル・ビル」ポスターにも旅客機がアップで描かれていた。航空アクション映画と錯覚するほどにである。

ところで昨今では、映画を観ようと前売り券を買うと、そこに名刺大の映画の写真が載っている事が多い。あの写真は時に、選びに選んだ、映画の核心に迫るような、意味深なワンシーンであるような気がしている。

例えば「戦場のピアニスト」では廃墟を前に立ち尽くすピアニストと、ピアノ演奏中の2枚の写真だった(映画にはピアノのそばに食料を置くシーンもあったような記憶もある。究極の構図である)。私はときどきあの写真を思い出していたのだが、こんな声が聞こえてきた。「すべてが破壊されて何も無くなってしまったとき、人は何を求めるのか。それは肉体の糧である食料と、精神の糧である芸術である」と。

この映画は結局それを言いたかったのではないだろうか。そして「必要なものだからこそ、食料と芸術は戦火で一時的な中断があっても守られ続ける」と。

この映画でピアニストは「芸術のシンボル」として登場していると思う。だから、あまり努力しなくても滅びる事は無いのである。この「価値あるものを周りが守る」という構図は意図的なものであると思った。そして、ピアニストがユダヤ人であることから、それは滅ぼされなかったユダヤ人たちのプライドへとつながっていくのだと思う。

追記 ( シェフの短歌 )
2016/1/16 11:46 by さくらんぼ

おせち料理を食べたお話しをします。なじみのビストロで買った洋風おせちですので、内容はオードブル(フランス料理などの前菜)詰め合わせです。ちょっと贅沢してしまいました。

詳細なメニューリストが付いていましたので、本当はそれを全文掲載して、皆さまに舌なめずりしていただければ良いのですが(失礼)、ご勘弁ください。

2段のお重に料理は20種類ぐらい入っていました(肉、魚、野菜)。あの店独特の素材の味を生かした薄味です。さらに容器に入ったソースは6種類、その他に手作りパンと珍しい生ジャム、珍しいブランドのコーヒー、手作りデザートは2種類入っていました。パンやコーヒーは一食分ですが、デザートは二食分、お重の料理は三食分ぐらいの量がありました。

私はこれを食して、一つ一つの料理(作品)に、“シェフの短歌を読んでいるような気分”になりました。顔の見える、知人のシェフが作った料理ですので、なおさらです。

テレビ東京の人気番組「孤独のグルメ」では、松重 豊さん扮する主人公・五郎が、出張中にとびこんだお店で食事をしながら、「ん~そう来たか…!」と感服して心の中でつぶやきますね。あれも料理人が舌で読んだ短歌を、五郎さんも舌で味わっていたのです。私も20種類の料理で、20首の短歌を…そんな稀有な経験ができました。もちろん十分に値段以上のクオリティー(詩想)を提供してくれましたよ。

追記Ⅱ ( 「京都アニメーション」 )
2019/7/26 9:29 by さくらんぼ

2019年7月18日に起こった「京都アニメーション」の悲劇。

何かの映画にもありましたが、「戦争で殺された両親のかたわらで、ひたすらTVゲームに熱中する子ども」のように、しばらく私は言葉を失っていましたが、やっと少し、この事件にふれられるようになりました。

亡くなられた方、重軽傷を負われた方は、無念だったと思います。本当にどんな言葉をかけたらよいのか。

チラシの写真を見てください。

そして芸術は(才能は)、あの戦争の中ですら、守られるべきものだったのです。

追記Ⅲ ( 「新型コロナウイルス」 )
2020/3/31 9:38 by さくらんぼ

> 例えば「戦場のピアニスト」では廃墟を前に立ち尽くすピアニストとピアノ演奏中の2枚の写真だった。私はときどきあの写真を思い出していたのだが、こんな声が聞こえてきた。「すべてが破壊されて何も無くなってしまったとき、人は何を求めるのか。それは肉体の糧である食料と、精神の糧である芸術である」と。

> この映画は結局それを言いたかったのではないだろうか。そして「必要なものだからこそ、食料と芸術は戦火で一時的な中断があっても守られ続ける」と。(本文より)


新型コロナの現在、とりあえず必要なのは、医療崩壊を防ぐこと。

しかし、芸術が、芸術を欲する気持ちが、消えることはありません。

人は疲れると甘いものが欲しくなるのです。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)







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