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「文学館」のススメ、の巻 (人生を豊かにするために)

2021年9月20日、昨日の漱石山房記念館に続き、今月いっぱい「夏目漱石特別展」をやっている「日本近代文学館」に、次男(中2)のお供で行ってきました。

3連休のうち、2日間を文学館で過ごすとは! 自分史上最高に文化的な生活。

昨日の漱石山房記念館は、まだ建って数年の新しい施設でしたが、こちらは50数年の歴史をもつ年季の入った文学館。

何より場所がオシャレ。

旧 加賀百万石の前田家の別邸あとにある「駒場公園」内。東京大学駒場キャンパスのおとなり。この駒場公園そのものが、文化的生活のメッカのようなたたずまい。明治時代にタイムスリップ体験が出来ます。

その上で、こちらの近代文学館の「夏目漱石特別展」は、最高に素晴らしかった。

漱石の代表作である「こころ」を中心に、その初稿の生原稿、初版の装丁などの「素材」に始まり、登場人物のセリフに込められた思いの分析・研究、セリフの裏側にある時代背景紹介、作品を評した当時の文士たち&一般読者のコメント、教科書での扱われ方、海外での反響などなどが順に、ストーリー仕立てで展示されている。 だけでなく、この特別展を担当した、中島国彦編集委員(先月から、この館の理事長になられたそうです)の「なぜ、漱石は、読者からの質問にこのような書簡で返したのかな?」「この朝日新聞に寄せられた、読者の批判のほこ先は、実はどこに向けられているのかな?」などなど、おそらく中学生・高校生の観覧者向けに用意したのであろう解説・質問コメントが、作品に関するパネルと一緒に掲出され、そのコメントの「優しさと分かりやすさ」に癒される。そしてそれが、小説「こころ」への理解をドシドシ深めさせてくれる。これは秀逸!

これまで、文学館とか全く興味なかったし、空き時間が出来たら、文学館どころか、まずはホッピーの飲める近場の町中華か日高屋を探していました。(コロナ禍の前ね)

しかし、このたった2日間の体験で、完全に「にわか文学館マニア」になりました。なにより、人が誰かに喜んでもらおうと、少しでも作品の素晴らしさを理解してもらおうとする努力や熱意って伝わるんだなぁ、と感じました。「この時、この作家は生活苦で原稿料を前払いしてもらうよう頼んだんだよ」とか「死ぬ間際に家族にこんな言葉をかけたんだよ」とか、の情報を通じてその作家の「芯」の部分を伝えたいっていう熱意ですね。

「にわか」が偉そーに言うてますけど。笑

ほわかつ」が大事なので、この新たな体験機会をくれた次男に、帰りの電車で感謝を伝えました。ありがとうって。「ほわかつ」の「か・つ」ですね。

最後にプチ情報。
日本近代文学館の隠れたる、しかし実は最大のオススメポイントは、漫画・小説読み放題のうえ美人スタッフ揃いの「カフェ」(一階)です。笑

おわり

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