「ドラレコの記憶は途切れない」第9話
深夜2時を過ぎても、達也はベッドの中で眠りにつけずにいた。ミゲルと部長をとんでもなく怒らせてしまった。自分の言葉が引き起こした事態を考えると、胸が締め付けられるようだった。このままでは、会社で孤立無援の存在になってしまう。どうして余計なことを口走ってしまうのだろう。言葉を抑えようとしても、心の奥底から溢れ出てしまう。抱える苦悩や混乱が、無意識のうちに他者への攻撃に変わってしまう。
しかし、一方で声が言う言葉は、必ずしも全てが間違っているわけではない。問題は、声の言うこと