見出し画像

自分と人を比較することが無意味な理由を生命科学的思考から考える

自分の人生の幸福度について、他人と比較することに全く意味がない
ということを生命科学的観点から導きだしたこちらの本、面白かったので記録しておきます。

読んだきっかけは、たまちゃんnote↓

結論

そもそも人間は、受精卵から成長の度合いが異なる。
そして、生まれてからもその人が成長するスピードはその人固有のもの、そしてその人が歩む人生においても同じことが言える。
よって、受精卵の時点からすでに別物である他者と自分を比較すること自体、全く意味をなさないということ。

そもそも条件違うから比較できない。

いかにも研究者な考え方ですね。
完全に条件を揃えても一様な群なんてできないのは、同じく生命科学系の仕事をしている者として悩みでもあります。

それくらい、比較できるほど同じ条件になることなんて、普通に生きてたらありえないということですね。

私達は常に何かを比較している

「楽しくて時間があっという間!」
「スマホ見てたらいつの間にこんな時間…」

これらの感覚は、すべて私たちが無意識に何かを比較している結果なのだそう。

なにを比較しているのか。
比較対象は以下の4つ。

  • 自然変化(地球の自転や好転による朝夕晩や季節の変化)

  • 環境変化(他者や社会の変化)

  • 行動変化(衣食住や仕事趣味に費やす行動。個人の活動の変化)

  • 生命変化(呼吸や加齢など、個人の生命活動の変化)

上2つは自分以外、下2つは自分のこと。

では、楽しい時間をあっという間に感じるのは、何と何を比較した結果なのか。

楽しい時間をあっという間に感じる理由

これは、
行動変化量に対し、相対的に自然変化量が小さく
捉えられるため、「あっという間だった」と感じるそうです。

朝→夕→晩という一定の自然変化に対し、自分はたくさん活動した!という感覚ですね。

では、スマホ時間をあっという間に感じるのはどういう原理なのか。

スマホなどの暇つぶしで時間をあっという間に感じる理由

これは先程と逆。
自然変化量に対し、自分の行動変化量が小さい
ために起こるそうです。

朝→夕→晩の自然変化に対し、自分は何もやれなかった無力感。

方向が逆であれ両者に共通するのは、自分の外にある自然変化量に対し、自分の行動変化を比較しているということ。

この、自分と自分以外の比較が適切ではない。

そもそも私達の行動変化は、自然変化や環境変化と比べて規定できない。

一日のなかでこれだけやれたから、
AIに負けない自分になったら、
という比較の背景には、人と人との比較がある。
一日のなかでできることは人によって違う。
AIに負けない方法は人によって違う。
人を介さないと比較できない。

そして人と人は受精卵の時点からすでに違い比較できない。

では何と何を比較したらよいのか。

自分と自分を比較する

正確には、自分が生まれてから死ぬまでの「生命変化」と自分の「行動変化」を軸に、自分がどうありたいかを考え、どう過ごすか決める。

人生の充実度を決めるのは、他人の時間軸との比較ではなく、自分の持つ生命変化の間にどのようか行動変化を起こしたか。

自身の行動変化の中で準備段階のステージなのであれば、他人と比較して焦るのではなく、粛々と自分のできる行動を積み上げる。

「まだ若いんだから」
「新卒は石の上にも三年」
「もう年を取ったから成長できない」

このように同じ時間軸をすべての人に当てはめるのは生命科学的にナンセンス。

"その時"は人によって違う。

では、「やりたいことがない」
そんな人はどうしたら良いのか?

やりたいことがない人は

カオスに身を置くべし!

どこにたどり着くかわかっている清流であれば、意思を持たず流れに身を任せてもなんの問題もない。
しかし、どこへ行き着くかもわからない大海にいるのであれば、羅針盤は必要不可欠。カオスな環境では、他力本願では行きたいところへ行けないため、必然と、自分だけの羅針盤(主観)を持てるようになる。

カオスで予測不可能な環境に置かれると人は、

「なぜ予測できない方向に向かってしまうのか」
「なぜこんな理不尽な目に合わないといけないのか」
「なぜ世の中はこうなっているのか」

この「なぜ」の積み重ねが主観、ひいては、やりたいことを生み出す。

感想

なんだか最近は本ばかり読んで、チャレンジングなことなんてしてない自分ですが、そもそもチャレンジングなことをしてないと焦る時点で、チャレンジングなことをしている人と自分を比較しちゃってるんだろうな〜と思いました(チャレンジングがゲシュタルト崩壊)。

「人との比較じゃなくて、過去の自分と比較しましょう」
嫌というほど聞く言葉ですが、
人の生命変化は受精卵の時から違う
こちらのほうが個人的にしっくり来ました。

人と同じことをしても行き着く先は違う。みんなそれぞれ違うエンディングに向かって人生を歩んでいる。

どうしよう?と悩む局面になったら困難な道を、けど、その選択自体は人と比べてどう、という軸ではなく、自分の生命変化においてどうなのか、という軸で選ぶ。

SNSで人の行動変化量が見えやすい今の時代だからこそ、自分と自分を比較するのは難しいけど、まああまり難しく考えず、楽しいと感じる方向に行ったらいいのかなと思いました。

〇〇思考、すごく流行ってますが、遺伝子や人類の進化から人生を俯瞰する生命科学的思考、個人的には究極のメタ認知だなと思いました。おすすめです!
たまちゃんいつもありがとうございます🙏❤️

この記事が参加している募集

読書感想文

今こんな気分

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?