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また読みたくなる、お薦め集 その2!
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記事一覧

や ゆ よ

 小学校に入ってまもなく、教室に掛けてあった表を授業中によく見ていました。先生の話にあき…

星野廉
5日前
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真夏に口遊むラストクリスマス。

真夏に口遊むラストクリスマス。 気づけば5年くらいの付き合いになるイギリス人の女の子。 辿…

蝶とネクタイ

「生まれた事に意味なんてないのにさー。 生まれてきた意味なんて考えて世界発展させてきた人…

昭和少年らっぽやん 第八話 【精霊とんぼ】

 日本の一部地域では、子どもたちの間でトンボとりの名人のことを「らっぽやん」と呼ぶ。 *…

birdfilm
1か月前
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めぐり逢い

朝ときどき散歩に行く小さな島で、よく出会う老夫婦がいる。 いつも海が見渡せるベンチに並ん…

森野 しゑに
1か月前
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最後の1杯 バーの右端のカウンターで 

その薄暗いバーのカウンターは10席くらいだろうか。 レトロ感の漂う店の壁一面には様々な洋酒…

CHA-TOMO
2か月前
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心のまにまに

懐かしい景色が徐々に知らない景色に変わっていって、また見慣れた景色が目の前に現れる。 寝台列車で地元から東京に戻る。 「眠れないんじゃないか」と家族には心配されたけど、何となく今回の帰りは寝台列車に乗りたかった。 翌日は朝から仕事が結構入っていたから、体力的には飛行機が正解なのだろうけど、たまにはこういう時間も楽しい。 駅のコンビニで買った空海についての本のページをめくりながらウトウトする。 飛行機だと1時間半ほどで行き来できるから、とても便利でありがたいけど、たま

拝啓 市街地ギャオ様

拝啓 市街地ギャオ様 第40回 太宰治賞 「メメントラブドール」受賞おめでとうございます。…

衿 さやか
3か月前
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三人の雪女(再掲)

また今年も梅雨を迎える。 そして梅雨の明けた暑い暑い夏の日に母の命日がやって来る。 アルツ…

宮島ひでき
3か月前
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ただそれだけのこと

 そんなことってある?という出来事だった。ねじって開けるタイプの水筒の蓋が壊れて、開けら…

korinon0216
3か月前
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二十世紀の街角で

短編小説 ◇◇◇  新宿は田舎者が集まるところだと誰かが言っていた。なるほどな、だからこ…

海亀湾館長
4か月前
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13歳の臆病者*

T田さんと同じクラスになったのは、小3 (1970年) のときです。ぼくが通った公立小学校では、奇…

maybejunwill
1年前
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【1分小説】きみのもとへ

彼はもう、どれくらいここにいるのか覚えていなかった。 覚えているのは、彼には とても大切…

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骨の気持ち お墓がありません

その遺骨は誰もいない家の整理ダンスの上で、夫の帰りを今もずっと待ち続けている。 母が亡くなったのは3年前の夏でした。 その後施設で暮らす父は、もうこの家に帰ってくることはありません。 施設にいる母がまだ元気だった頃、私の父の日課は妻の顔を見に行くことでした。 やがてコロナウイルスで面会ができなくなってしまうも、認知症が進んできた父にはそれが理解できず、そこには毎日施設に通う父の姿がありました。 認知症の行動はなかなか変えられません。 本来は規則違反です。 個室からは出ない