骨の気持ち お墓がありません
その遺骨は誰もいない家の整理ダンスの上で、夫の帰りを今もずっと待ち続けている。
母が亡くなったのは3年前の夏でした。
その後施設で暮らす父は、もうこの家に帰ってくることはありません。
施設にいる母がまだ元気だった頃、私の父の日課は妻の顔を見に行くことでした。
やがてコロナウイルスで面会ができなくなってしまうも、認知症が進んできた父にはそれが理解できず、そこには毎日施設に通う父の姿がありました。
認知症の行動はなかなか変えられません。
本来は規則違反です。
個室からは出ない