研究アイデアの出し方
研究アイデアを出すには、論文を読むか、現場を見るか、人と話すかの3択だと思います。
こんにちは、あおき@リサーチャーです。職業肩書をなんて紹介するのがいいのかをその昔スナックで話していて、「心理士」という肩書が僕の持つ肩書の中で最も不評でした。なんかこころ読まれそうで怖いんだそうです。それから、リサーチャー or 医療従事者と自己紹介するようになりました。
さて、リサーチャーという仕事です。研究者です。研究者というと、また、実験室でフラスコ振ってそうとかオタクっぽいとか言われちゃうので(実際言われた)、リサーチャーと自称します。
大学で働いているので、仕事柄、研究活動は継続的に行なっています。いちばん苦慮するのが、「研究のアイデア出し」でしょうか。
他の研究者の皆様はどうやって研究のアイデアを出しているのでしょうか?
と気になったので、人に聞く前に、とりあえずわたしの研究のアイデアの出しかたを整理してみることにしました。
先行研究を読んで発想を得る
先行研究というのは、「私より先に行ったすべての研究」のことを言います。社会科学の研究では、いきなり新たな理論を思いついたぞう!というのは基本的にはあり得なくて、今まで行われた研究をアップデートしたり、先行研究への対立意見を考えて、研究アイデアを出します。
先行研究にはたくさんの発想があります。先行研究を発展させる計画、先行研究と先行研究を組み合わせて新しいアイデアを得るなど無限に可能性があります。私が好きなのは、先行研究は概念の大枠を利用した研究なので、わたしの研究では概念を細かく捉えて研究しました、というアイデアの出し方です。うつ病という大枠→うつ症状(落ち込み、不眠、興味の低下)に分けて研究してます。
卒論とかを書くときは、まずは先行研究をたくさん読んでみそ。そして興味のある研究をちょっとだけ変えてみて研究すると良いです。
現場で起こっていることを研究で解決
わたしは臨床現場(病院)にも顔を出していますが、お会いする人によってはこれまでの研究だけでは解決できない事象がたくさん出てきます。また、たくさんの方にお会いすることで、例えばその病気に特徴的な何かがあるんじゃないか?と考えることもあります。そのあたりから発想を得て、その問題を解決するための研究をするというのもよくあります。この場合でも先行研究はしっかり読み込みます。
自分のこれまでの研究を他分野に応用
これもわたしがよくやる手法です。例えば、心理士養成でよく行われている手法を医学や看護学教育に組み込むとか。面談動画を撮影して、コミュニケーションの様子をフィードバックしていくのは心理学教育ではよくやる手法ですが、それを看護師さんと一緒にやったり、医学教育の中に取り入れたりというようにです。あるいは博士課程で実施した行動活性化の研究はもともとうつ病に対してのものですが、それを疼痛の研究に応用する研究にも最近は取り組んでいます。
仲間うちでディスカッションしてるうちにアイデアがまとまる
と、まあまじめに話してきましたが、いちばんアイデアが出やすいのは飲み会(特に居酒屋)です。自分ひとりで考えててもいいアイデアは出てきません。研究者仲間と上に書いたアイデアを話していると、賛同意見があったり、その他の視点が得られたりもします。そのような意見をまとめつつ、共同研究する人もその場で決まっていくのもよくある流れです。
↑にも近いですが、わたしの同僚は、心理士だけではなく、医師、看護師、エンジニア、英語教育の先生、など多様です。仕事に関するミーティングの中でもいろいろな視点が出てきますし、そこから研究のアイデアに発展することもあります。わたしの専門はおそらく臨床心理学なのですが、社会心理、基礎心理の先生からもアイデア出してもらい、統合していくこともよくやります。
とまあこんなところでしょうか?普段、アイデア出しをどうしてるかなんて考えたことがないので、言語化できるいい機会でした。
クリエイティブな発想をする際には、同じことばかり考えているとアイデアが出てこないのでincubusするためのほかのことをする時間も大事だったりします。積極的に遊んだり、景色を見に行ったりとか研究以外のことをする時間がだいじみたいですね。
今日書いたこの記事は、2年前に書いていたのがそのまま放置されていたので、倉庫から出してきてちょっとだけきれいにして出してみました。その当時はコロナ禍ではなかったので、飲み会とかでシンポジウムのアイデアが出たりとかわんさかだったなあと。
仲間つくりに関しては、TwitterとかSlackでいろいろとお話しできる時代ですので、この記事を書いてた頃とは様相が変わってきましたが、そうなってくると余計に都会に行かなくても研究できるなあと思う日々です(飲み会はしたい)。
ではでは!みなさんの研究アイデアの出し方も教えてもらえると嬉しいです。
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