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ムーミン展レポ 史上最大規模の原画にスケッチも!トーヴェの世界に浸る

サラリーマンをしながらほぼ毎日イラストをアップしているaoitatanです。

先日、ずっと楽しみにしていた六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリーにて開催中のムーミン展に行ってきました!とても素敵な展示だったので、レポをまとめてみました。

これまでのムーミン展とは、ここが違う!

2019年には埼玉の飯能市にムーミンバレーパークがオープンしたり、東京の松屋銀座では2014年にはムーミン展、2018年にはリトルミイのひみつ展が開催されていたりと、さまざまな催しや展示はちょこちょこやっているムーミン。今回のムーミン展最大の魅力は、その圧倒的な展示数の多さ。なんと約500点もの原画やスケッチが並んでいるのです!しかも、その大半が日本初公開2019年はフィンランドと日本の国交樹立100周年ということもあって、主催者の気合いを感じました。原画一つを30秒ずつみていっても250分かかる計算。すごいです!

公式サイトで「これまでにないムーミン展」「ムーミンの決定版」と謳っているだけのことがありました。

今回の展示は、徹底的に原画が中心(後半に立体物やグッズもあります)。まさに原作ファンにとってはマストゴーな展示だと思います。ムーミンは日本ではアニメでも広く親しまれていたり、グッズが可愛かったりしますが、元々は書籍。すべては物語から全てが始まった作品です。今回の展示ではその書籍で描かれたムーミンの世界にとことん浸れます。また、アニメ版ファンの方はそのルーツを体験するつもりで見るのがおすすめ。アニメ化にあたって、変化していくムーミンのフォルムのうち、作者であるトーヴェヤンソン氏がどの時期のムーミンをモデルとして指定したかも解説がありますよ。

ちなみに、今回のムーミン展は原画展のため、最後のフォトスポット以外撮影禁止でした。潔い..!ムーミン展っぽい一枚が欲しい方は、入り口で撮りましょう(出口は違いますが撮り忘れても一応この場所にまわってくることは可能です)

入口の巨大パネル。写真映えでの口コミ拡散を狙わず誠実にムーミンの世界を展示しているその姿勢、賛成です。(誰)

圧倒的な原画数で辿る、オールムーミン

入り口から早速怒涛の数の原画が並んでいきます。作者であるトーヴェヤンソン氏が生涯で発行した9冊のムーミン物語の作品ごとに、全シリーズの表紙や挿絵、スケッチなどが展開されていきます。原作のお話がうろ覚えでも、アニメ派の方も解説パネルにあらすじが書いてあるのでご安心を!!

お話が進むごとに丸みを帯びていくムーミン達のフォルムや、初期はインクの濃淡で表現されていたものが線画の表現に変化していく絵のタッチなど、膨大な数の原画が一堂に会してほんとうに素晴らしい!

トーヴェヤンソンといえばエッチングと呼ばれる単色インクの線で表現するタッチが有名かと思いますが、それ以外の初期の水彩の趣にも感動しました。ラフは不透明水彩?油彩?のような絵の具で描かれたものもありました。あの洗練された一枚に至るまでのたくさんのスケッチや検証を間近で見ると、その一枚にかけられた情熱をいっそう感じられて印象的でした。

この原作コーナーで一時間くらいは見たかもしれない。

広告や風刺画も。物語以外のトーヴェの世界へ

ムーミンシリーズの執筆以外にも、トーヴェヤンソン氏がお仕事として挿絵を描いていた第二次世界大戦中の風刺画や、ムーミンが登場したフィンランド企業の広告グラフィックの展示も、とても見応えがありました。トーヴェ氏はムーミンの書籍を発行する前は挿絵画家として様々な媒体にイラストを納品していたそうで(生計を立てるためにポストカード等をたくさんつくっていた時期もあったそう)、そういったイラストが見られるのも貴重でした。

また、キャラクター系のコンテンツは、その物語の世界観や本来あるべきイメージを保っていくに、企業の広告への関わりを制限することがあります。CMに登場するのはOKでも、キャラクターが商品を持つのはNG、などなど・・・。個人的に勝手にムーミンは広告にはあまり登場しないキャラクターかなと思っていたのですが、むしろその世界観を生かして独特のやさしい広告物をなしていた・・・。やはり物語がベースになって世界観のしっかりしたキャラクターだと、広告に食われない強さがありますね。必見です!


浮世絵とムーミン?

後半にあるコーナーに、終盤に興味深い展示がありました。ムーミンのイラストではキャラクターが橋にたたずんでいたり、大きな木々が生い茂る森の中にぽつんとキャラクターがいたりと、背景までを含めたダイナミックな構図が魅力的かと思うのですが、その自然物の構成が実は日本の浮世絵の影響を受けているということで、ムーミンと浮世絵(北斎など)の構図の比較がとても面白いです。北欧イズムだと思っていたあのイラストも、たしかに、たしかに浮世絵、、!


お財布の紐がガバガバになったらひろーいグッズ売り場へ!

たーくさんの原画を集中してみたら、あとはお待ちかねのミュージアムショップへ!今回のムーミン展限定のグッズもたくさんあり、みなさん熱心に選んでいました!大人が持っていても素敵に見えるのがムーミングッズの不思議。文房具、雑貨、食品、ぬいぐるみ、原作の本などなど・・ステキなアイテムがたくさんありました。

ちなみに、東京駅地下にあるキャラクターストリート内ムーミンショップのグッズとは結構違う品揃えでした!!!(ムーミンバレーパークはまだ行ったことがないので、そことの品揃え比較はわからず、、!)全体的に東京駅のムーミンショップよりも大人っぽいグッズが多い印象です。美術館らしいトーンフィンランドにあるムーミンミュージアム限定のグッズなどは特にレア品じゃないでしょうか。ここにしかない感に、終始うきうきしてしまいました。

図録がとんでもなくかわいい件。よく目にする特大サイズの図鑑のような図録ではなく、原作の本を買うような気持ちで手に取りやすいサイズ感。布張りでメインビジュアルのイラストがプリントされています。リッチ!初版限定盤にはイラストが一枚挟み込まれているそうです(キリトリ不可)

会場限定のガチャガチャも!一回300円の、豆皿と豆コーヒーカップ

これは・・やるしかない!お家に帰ってからドライフラワーを1-2cmにカットして自分でつめました。豆皿は指輪置きに。

いやー、わかってる。主催者、よくわかってるな。会場でも人気でした。ちなみにガチャガチャじゃない豆皿も1000円以下で売られていました

そして、ミュージアムショップの袋がかわいい件!!!!!メインビジュアルのイラストがプリントされています。

そして小分けの袋は色が違う件!!!!おみやげを買われる方は小分けの袋をもらうことをおすすめします。


コラボカフェでまったり。タピオカも!

会場横のコラボカフェでは、スナフキンカレーやにょろにょろの抹茶タピオカドリンクなど、ここでしか食べられないムーミンメニューを楽しむことができます。

平日16時くらいにいったら並ばずに入れました。土日はよくこの壁に沿って行列ができている印象だったのでラッキー。にょろにょろの抹茶タピオカドリンクと、ムーミンのお散歩セットを頼みました。きゃわ。

各テーブルにもメインビジュアルがしっかりプリント

限定コースターも貰えました!このコースター自体が、会場である六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリーの百円引きの割引券になるそうです!

リピーター誘致かな?コースターは飲み物を置かれる前に渡してもらえるので、記念品として持ち帰る方はぬらさないようにかばんにしまいましょう

もともとしっかり食事のとれるレストランカフェなので、クオリティはちゃんとしていると思います!お値段は結構します!


六本木ヒルズは平日がおすすめ

ムーミンの原画は名刺くらいのサイズの物も多く、線も細かな作品も多数あるため、至近距離でみるのがおすすめです(ここまで近づいていいというラインが床にひかれています。ポールなどのしきりはナシ)。六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリーは、ハリーポッター展や少年ジャンプ展、セーラームーン展、カードキャプターさくら展など様々な展示で足を運んだことがありますが、どの展覧会でも圧倒的に土日が混んでいる印象!!ものによってはまずチケットを買うのに行列して、会場前でまた並ぶことも・・。平日の方が、人混みを気にせず作品一つ一つをゆったり見られると思います。ムーミン展も平日16時くらいにいったのですが、チケット売り場も展示の入場口もカフェも待ち時間ゼロでよかった。ガラガラということはなく普通に人はたくさんいましたが、ベビーカーの方や赤ちゃん連れの方もたくさんいらしていて、ゆったり進んでいけてる印象でした!

私は数年前に銀座松屋で開催されたムーミン展で日曜に行ったらぎゅうぎゅう詰めになり小さな原画をとても遠目に見た経験もあり、混んでいると一つの絵の前に長く滞在するのが迷惑になるかなと思えてくることもあって、今回はとにかく線を近くで見るために平日に時間を作っていきました!


チケット情報

限定グッズつきのチケットもいろいろあるようです。最後にあるおみやげやさんのレジで交換でにるようですよ!わたしはこのチケットの存在を知らず、今回は当日券をヒルズで買いました。

当日券は大人1800円。さっきのコースターをお友達からもらえば、1700円です。


いつか行きたい!世界で一つのムーミン美術館

今回の展示、実はフィンランドのテンペレに近年オープンしたムーミンミュージアムの協力で開催されているそうで。

フィンランドにはここと別にムーミンワールドというテーマパーク(ムーミンの世界が再現された場所)があり、埼玉飯能市にオープンしたムーミンバレーパークはこちらに近いと思うのですが、それとは別に純粋な美術館としてオープンしたのがムーミンミュージアム

※日本語表示もあるみたいです

とんでもなくおしゃれな美術館のようでした!

ムーミンはそのお話だけでなく挿絵や表紙の一枚絵としてのクオリティも圧倒的に高いので、ムーミン美術館のような場所で今回の展示のように美術作品としてじっくり見られる場所は素敵だなと思いました。いつかいってみたいです。むしろ今ヒルズに原画が大量にきているから、フィンランドの美術館がスカスカになっているのではといらぬ心配をしてしまいました。

ちなみにムーミンワールドはこっち。着ぐるみとかいる系です!ムーミンワールドはトーヴェが存命のあいだにオープンした場所で、割と歴史があります。ムーミン谷と同じく冬季は冬眠のため園自体がクローズするので、行かれる方はご注意を!!!!


スウェーデン留学の思い出

わたしは2009-2010年にスウェーデンのルンド大学に交換留学をした経験があり、スウェーデン人の考え方や北欧独特の文化、自然の豊かさには強く影響を受けています。今回の展示で初めて知ったのですが、ムーミンシリーズを日本語に翻訳した方のお一方も、なんとスウェーデンのルンド大学に留学していたそうで!すごい偶然。

留学中、マルメという町の私立図書館にいたムーミンの写真です。作者トーヴェヤンソン氏はフィンランド国籍ですがスウェーデン語話者。スウェーデンにもいたるところにムーミンがおります。


aoitatanについて

ふだんはゴリゴリのサラリーマン。通勤電車では絵描き。

イラストをアップしたり

英語を勉強したり

しています。

noteではおえかきについてや、心動いたことを随時記事にまとめいます!

それでは、読んでいただきありがとうございました。

ありがとう、ムーミン。

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