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他者との心の距離を村上春樹の「僕」に学ぶ / 20240605wed(400字)

僕の解釈:
村上春樹さんの小説の「僕」は「結局、あなたは私に何も与えてない」と妻に言われて逃げられる。
これは「僕は誰にも心を開いていない」ことを意味する。
そのこと自体に僕は気づいていない。
それが読者にじわっと伝わってくる。
読むたびに物語の巧妙さに唸る。

物語を読む度に、じぶんの心の殻について考える。

19歳の時、演劇をやっていた。
あるダンスカンパニーにドイツ公演に誘われ練習に参加した。
突如、断りの電話が来た。
「メンバーから外す理由を言えよ!」と言えなかった。
「頑張ってください」と言った。
元師匠に言えない腹の底がある。
以前は東京に誘われて弟子になった。部屋を用意してもらった。
「まだ部屋ありますか?」
「おれを精神疾患者の恥と思ってるだろ!」
言えない。
「お身体をご自愛ください」
代わりにこう言っている。

人間の心の距離感を村上春樹の「僕」に学ぶ。


短歌:

言えばいい
いう問題か
いやちがう
怒りを溜めろ
時を見据えて

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